家庭用冷凍ラーメン開発 ゆにろーず 巣ごもり需要浸透図る

茨城新聞
2021年5月29日

ラーメン店チェーンのゆにろーず(茨城県取手市井野台、大野秀之社長)は冷凍ラーメンを開発し、内食・中食市場に本格進出する。冷凍用に麺やスープ、チャーシューを改良し、冷凍加工・管理に必要な設備を導入する。店頭販売や通信販売で顧客を開拓、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要で浸透を図る。店頭販売は流山店(千葉県流山市)を皮切りに、今年夏をめどに全18店舗に拡大する。

冷凍ラーメンの店頭販売を始めた流山店。冷凍ショーケースに商品が並ぶ=千葉県流山市

 

新たに販売を始めたのは「お家(うち)でにんたま」。開発から製造、販売まで同社で一貫して提供する。

通販用の麺は、店頭用よりもやわらかいものに改良した。家庭にある調理器具は火力が弱く、店頭用の麺ではゆで時間が長くなり、品質が低下してしまう。そのため、麺の素材の配合割合を変更することでやわらかくし、ゆで時間の短縮に成功した。

冷凍加工が難しい味付け卵を提供できない代わりとして、新たな「トロチャーシュー」を開発した。スープは、トロチャーシューを漬け込んだ状態で袋詰めにして冷凍加工する。店頭用よりも塩分濃度を高めたことで、チャーシューの肉質を一層やわらかくする効果があるという。

しょうゆ味やみそ味、塩味(いずれも税込み500円)に加え、黒マー油を使った「プレミアム黒にんたま」(税込み600円)をそろえる。味付け卵がないため、店頭価格よりも140~150円安く設定した。

今後は本格販売に向け、スープの充填(じゅうてん)設備やチャーシューの調理器具、冷凍ラーメン専用のプレハブ倉庫などを取手市内の製造工場に整備する。また、ネットショップ支援サービスの「STORES」を利用し、6月上旬に通信販売を始める。4食分セットから販売する。全体の事業費は約3千万円の見通しだ。

大野社長は3年後に1日500食の販売を目指すとし「新型コロナで減少した分の売り上げを冷凍ラーメンで補いたい」と力を込めた。