水戸芸術館開始から31年 コンサート1500回達成 感動、パイプオルガンの音色

茨城新聞
2021年5月17日

水戸芸術館(水戸市五軒町)の「パイプオルガン・プロムナード・コンサート」が16日、通算1500回に到達した。1990年6月のスタートから足かけ31年での達成。同館エントランスホールで開かれた節目の公演では、集まった来場者が、天から降り注ぐかのようなオルガンの音色を堪能した。

同コンサートは、90年6月、吉田恵さんの演奏で1回目が開かれた。同館は、パイプオルガンの演奏を気軽に親しんでもらうため、週末の午後、入場無料で開催してきた。

パイプオルガンは、高さ7.9メートル、幅7.68メートル、3283本のパイプを持ち、46の音色を備える。2011年3月の東日本大震災ではパイプ約千本が損傷したが、職人らの手で修復され、翌12年に復活コンサートを開いた。

昨年は新型コロナウイルスの影響で臨時休館が続き、公演が一時ストップした。昨年6月に再開し、医療従事者向け公演も実施した。

1500回目の演奏を担当したのは、オルガン奏者の栗山美緒さん(22)。バッハ「幻想曲 ト長調 BWV 572」やデュリュフレ「組曲 作品5より第2曲 シシリエンヌ、第3曲 トッカータ」を弾いた。

節目の1500回到達について同館音楽部門芸術監督の中村晃さん(54)は「感慨深い。聞いてくださる人たちのおかげ」と語った。

ひたちなか市から夫婦で訪れた山下禎文さん(59)、佳奈美さん(54)は「初めて来た。生の迫力に感動した」と話した。

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