作品と前衛美術の関わり紹介 竹久夢二とローランサン展 笠間日動美術館 

茨城新聞
2021年4月22日

叙情的で瞳の大きな女性を描き、大正期に広く親しまれた竹久夢二と、パステルカラーの柔らかい女性像で知られるマリー・ローランサンの作品などを集めた「乙女の夢はアヴァンギャルド」展が、茨城県笠間市笠間の笠間日動美術館で開かれている。20世紀初頭に活躍した2人の作品と、西洋の前衛美術との関連を紹介。夢二の初期から晩年までの歩みにも触れることができる。

マリー・ローランサンは1883年生まれ。パブロ・ピカソらと交流し、前衛画家と評され、肖像画家としても人気を博した。翌84年生まれの夢二は、「夢二式美人」と称される作品をはじめ、絵はがきのデザインなども手掛けた。ローランサンの作品の切り抜きを保管するなど、当時の西洋美術に深い関心を寄せていたという。

マリー・ローランサン「三人の若い女」(マリー・ローランサン美術館蔵)

会場には、それぞれの代表作と、関連する画家の作品を含めた112点を展示。曲線的で柔和な印象が強い2人の作品と、西洋の前衛美術がどう関わったのか、独自の画風を確立する変遷が紹介されている。同館学芸員の塚野卓郎さんは「同じ時代を生きた2人の画家の人生を、作品を通して感じてほしい」と話している。5月16日まで。

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