綴織タペストリー、色彩豊かな25点 糸の組み合わせ無限 水戸で渡辺けい子作品展

茨城新聞
2020年12月12日

水戸市千波町在住の織物作家、渡辺けい子さん(64)の作品展が、同市備前町の常陽史料館で開かれている。さまざまな糸の素材を生かした綴織(つづれおり)タペストリーなど色彩豊かな25作品が展示され、訪れる人を楽しませている。来年1月17日まで。入場無料。

渡辺さんは短大でデザインを学び、卒業後はグラフィックデザインの道に入った。結婚後、綿や絹など糸の表情や風合いに魅せられ織物の世界へ。28年前から縦糸と横糸で模様を織る、綴織タペストリーの制作を始めたという。

綴織タペストリーは、原寸大の図面を基に、縦糸と横糸を1本ずつ丁寧に紡いで作る。1枚完成するには約半年ほどかかる。渡辺さんの作品は、糸で遊びたいと、あえてほつれなどを立体的に残しているのが特徴だ。

今展には、美術団体「光風会」の公募展に入選した作品が数多く展示される。赤を基調とし、中央に円を形づくった「赫(あか)」や、毛糸や巻き網を編み込み山とれんがをイメージした8枚のパネル作品「CONCERTO(コンチェルト)」も目を引く作品となっている。

渡辺さんは「糸と糸の組み合わせは無限大。来場者に明るい気持ちになってもらえたらうれしい」と思いを話す。来場した常陸大宮市、主婦、石川久美子さん(69)は「いろんな素材が使われ、芸術作品になっている。素晴らしい」と目を凝らして鑑賞していた。

開館は午前10時~午後5時45分。毎週月曜日と12月6、29日~1月4日は休館。

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