《釣り》常磐沖の夜イカ 釣趣独特、夏の風物詩 多点かけ、重量感が魅力

茨城新聞
2020年8月15日

独特の釣趣を楽しめる常磐沖の夏の風物詩、夜イカが7月中旬から本格的に始まった。那珂湊各船で束釣りの好釣果が出ており、その後も束釣りの日が続いているようだ。8月に入り満月の週で月夜が心配だったが、天気予報は曇り。月が隠れることを期待して急ぎ釣行を決定した。

常磐沖の夜イカは最近は梅雨が明けて始まることが多い。ムギイカ、スルメイカの釣期もかなり短くなり、すぐにスジイカ、ムラサキイカになり、終了の時季も早まっている。

イカ釣りはスッテや角数にどれだけ乗せるか、多点かけの重量感が魅力の釣りで、名手になると手釣りで数多いスッテをリズミカルに手操り、圧倒的な釣果を上げる。一般的な電動リールの竿(さお)釣りは、電動リールを巻きながら軽く竿をシャクリ、手軽に楽しめる。

近年は数を追わず釣趣を志向する、イカメタルというシンプルで手軽な釣りが人気で、女性や若者にも人気が広がっている。かくいう私も、数より釣趣志向でライトタックルやイカメタルを楽しんでいる。

手軽な道具でゲーム性の高い釣りが楽しめるイカメタル

 

当日は、ほぼ満船で私以外に2人がイカメタル。他は電動直結のイカハンターを乗せて午後5時に出港。日没に合わせ、那珂湊沖1時間半ほどのポイントを目指した。日が傾き始めると集魚ライトを点灯して早めのスタート。

船長の指示棚のアナウンスに従って、その棚から上を探ったがイカの反応は遠かった。しかし日が沈み、集魚ライトが海面を照らし始めると、水面に稚魚やプランクトンが集まり、それを追って小魚が集まり、イカも集まり始めた。

大ドモの釣り人がムギイカを単発でキャッチ。すかさず船長から釣れた水深のアナウンスが入る。指示棚周辺を丁寧に探ってはみたものの、まだイカがまとまっていないようだ。船中ではたまにムギイカが上がるも、棚もばらばらでなかなか盛り上がらない。

時折、集魚ライトにつられて表層には大量のサバが集まりサバ祭りになってしまった。これが意外と厄介でブランコ仕掛けやイカメタルはプラ角やスッテを丸飲みされて釣りにならない。

その点、直結仕掛けは、飲まれる心配がないのでストレスなく釣りを続けられる。しかし直結仕掛けの方にもムギ、スルメの多点掛けの様子は見られず、船長も困り顔。

僚船もさほど状況は変わらない様子。少しポイントを移動した。しかし残念ながら、きれいな満月が姿を見せたためか、移動後も状況が好転することなく終了。それでも直結仕掛けのイカハンターの釣果も伸び悩む中、どうにかムギイカの姿を見ることはできた。(ジャイアント水戸南店マネージャー 大山雅幸)