《釣り》鹿島沖のカットウフグ 聞き上げ、一定間隔で 頻繁に針変え30匹

茨城新聞
2020年8月9日

雨が続く7月中旬。鹿島港から釣り船でカットウフグ釣りへ向かった。カットウフグは今や鹿島を代表する釣りである。年間を通して釣れるショウサイフグは引きが良く、味もグッドでとても人気が高い釣りの一つである。

カットウフグ釣りとは、専用針に餌を付けて集まってきたフグをカットウ針に引っ掛ける釣りである。それに合わせ、9対1か8対2の先調子の専用竿(ざお)を使うのがベストだ。

リールは小型の両軸リールで十分であるが、手返しや回収等を早くしたい場合は小型の電動リールもお薦めだ。ラインはPEの1~1・5号。ライントラブルを避けるためにフロロリーダーを付けるとストレス少なく釣りを楽しめる。

仕掛けは25~30号の専用の重り。固定式と遊動式があり、どちらも用意すれば、状況に臨機応変に対応できる。

両者の違いは、遊動はアタリがよく竿先に伝わり、食いが渋い時もコンスタントにアタリが分かる。しかし活性が高いとアタリが出過ぎ、糸が絡んだり、仕掛けが切られたりするトラブルにつながりやすい。

フグの活性が高いときには固定式を使う。固定式はライントラブル等が少なく使いやすいが、ハリスがフグの鋭い歯にぼろぼろにされてしまうので変え針が欠かせない。

餌はパック詰めのアオヤギを使う。縫い刺しと呼ばれる刺し方で、黒い部分のキモから針を通し硬いベロの部分で止める。アオヤギは大体3~4個付け、間にバイナメエビ等を刺すと食いが良くなる。アミノ酸等専用の集魚剤を付けておくと食いがアップする。

ショウサイフグはアタリが分かりにくく、一瞬のうちに餌をさらっていく餌取り名人だ。私もよくやるのだが、ビギナーの方はタイム釣りをしよう。タイム釣りとは、一定の間隔で竿をシャクリ上げて引っ掛ける釣り方である。シャクリの間隔は、その時の状況にもよるが、大体3~5秒に1回聞き上げる程度にシャクる。あまり強くシャクリ上げるとフグは驚いて逃げるので注意。船下に落としても釣れないときは軽く投げて広範囲を探ってみるのも一法だ。

一年を通して釣れるショウサイフグは人気が高い=鹿島沖

今回はフグの活性がとても高く、小さいサイズのフグでも竿に「ごんごん」とダイレクトにアタリが伝わってきたのでとても釣りやすかった。しかしそんな状況でもしっかりとタイム釣りを実践し、アタリかどうか分からないときでも数秒ごとに聞き上げ、コンスタントに釣り上げた。5~6匹釣ると仕掛けのハリスがフグの鋭い歯で駄目になってしまったり、カットウ針が刺さりにくくなってしまうので、頻繁に針を交換した。仕掛けを入れるポイントは根がキツく、根掛かりしやすい場所であったため、底から0・5~1メートルは仕掛けを上げるようにした。小は15センチ程度から大は40~50センチ級が釣れる。大きいフグは引きが強く、上げたときの感動も大きい。この日は30匹となかなかの数を釣れた。

カットウフグはハマる人はとことんハマる釣りだ。釣れる魚がショウサイフグだけではなく、カレイやホウボウ、タコやソイ、カワハギなど多種多様な魚が釣れるのも楽しみの一つ。繊細なアタリに豪快な引き。刺し身や唐揚げのおいしさ。釣って楽しい、食べて楽しいカットウフグにぜひ挑戦してほしい。 (キャスティング土浦店 中村勇人)

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