観光地・那須笑顔徐々に 感染防止 工夫しながら営業再開

下野新聞
2020年6月1日

 【那須】新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の全面解除などを受けて、高久乙の那須サファリパークや、豊原乙の「矢の目ダム」を利用した水上スポーツ「スタンドアップパドルボード(SUP)」が30日、営業再開した。感染防止策を工夫しながら、観光施設には少しずつ笑顔が戻り始めている。

 アウトドアイベント企画会社「Spesアクティビティ那須」が運営するSUP体験ツアーは、サーフボードのような板に乗ってパドルを漕ぎながらダム湖を散歩する。約1カ月遅れでの今季初営業となった。

 1回のツアーの人数を抑え、時間も30分短縮。受付では検温とセルフチェックシートを記入してもらう。貸し出す用具や付近の公共トイレなどアルコール消毒も徹底した。

 例年は県外からの参加が7割だが、地元からの参加も呼び掛けている。同社の君島(きみじま)つぎみ社長(58)は「県外に出なくても、地元にこんな楽しいことがあると再発見してほしい」。友人家族と初参加した県内の女子大学生(23)は「ずっと家で勉強漬けだったので、いい気分転換。友だちとまた来たい」と笑顔を見せた。

 那須サファリパークは53日ぶりの営業再開。家族連れなどが車窓越しに動物たちを眺めた。当面はマイカーや同園のレンタカーで敷地内を周回する「ドライブスルーサファリ」を中心に営業。売店には飛沫(ひまつ)感染防止用シートを設置し、レンタカーを消毒するスタッフも増員した。

 塩谷町から来た女性(48)は「一頭一頭個性があり面白い」と夢中でカメラを構えていた。

 初日の来客者数は前年同時期に比べ7割程度だが、想定より客足が伸びたという。同園の広報、内海一秀(うつみかずひで)さん(48)は「まず県内の人に来てもらい、段階的に来場者数を増やし、元のにぎわいまで戻したい」と話す。

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