つくばチョウザメ産業 気軽にチョウザメ料理 古民家レストラン、2月4日開店

茨城新聞
2020年1月28日

チョウザメの養殖を手掛けるつくばチョウザメ産業(つくば市、白田正男社長)は、桜川市真壁地区にチョウザメを使った料理を提供する古民家レストラン「レストキャビン古民家 スタージョン」を2月4日オープンする。癖がなく栄養価の高いチョウザメの肉を気軽に味わう場をつくり、普及につなげるのが狙い。白田社長は「高級食材だが、もっと身近に感じてほしい」とアピールする。

同社は2010年に養殖事業を開始し、現在は4千~5千匹を養殖している。メスの卵を取るには生後7~8年以上かかるとされ、18年から初めてキャビアを出荷できるようになった。メスの判別には4年の生育期間が必要で、14年からオスを肉缶詰として販売している。

同社では魚肉やキャビアをホテルや飲食店などに販売するほか、桜川市とつくば市ではふるさと納税の返礼品に採用されている。業務用として出荷量が徐々に伸びる一方で、一般消費者向けの販路は限られているのが現状だ。

使用する店舗は、桜川市から借り受けた古民家。テーブル席とカウンターの約15席を用意し、座席の間隔にゆとりを持たせてくつろげる雰囲気を演出した。入り口には数匹のチョウザメを入れた水槽を設ける。店名のスタージョンは、チョウザメの英語表記だ。

古民家レストランの立地は日本酒「花の井」醸造元の西岡本店(桜川市真壁町田)の隣接地。2月4日からは大勢の観光客でにぎわう「真壁のひなまつり」(3月3日まで)も開幕することから、幅広い飲食需要を見込む。

チョウザメには、うま味成分のグルタミン酸やコラーゲンを構成するグリシンがサンマやアジと比べて豊富に含まれる。メニューは漬け丼やカレー、チョウザメのだしを使った煮込みうどんなど家庭でも作れる料理をそろえる予定。価格は千円以下に抑える。

店頭では、チョウザメの魚肉と薬膳食材で作るちまきのほか、缶詰などの加工品も販売する。白田社長は「白身でにおいがせず、歯応えがある。いろいろな料理に合う。店頭では家庭向けの魚肉も販売したい」と話す。

同社は廃校となった旧市立真壁小のプールを再利用して、新たに養殖場を整備する計画を進めており、さらに生産を拡大したい考え。白田社長は「チョウザメの食文化を広めたい」と意気込んでいる。(大貫璃未)

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