新型「TX-3000系」公開 来春営業 UDシート優先席導入 つくばみらい

茨城新聞
2019年10月26日

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京)は25日、来年春から営業運転を開始する新型車両「TX-3000系」をTX総合基地(つくばみらい市筒戸)で報道陣に公開した。初めてユニバーサルデザイン(UD)シートの優先席を全車両に取り入れるとともに防犯カメラを導入し、車内の快適性と安全性を向上させたのが特徴。車両の新造は同社にとって2005年8月に開業して以来初めてで、年度末のダイヤ改正に伴う朝の運行本数増に大きく寄与する。

同社によると、導入車両数は5編成30両。今回公開した1編成6両は先行して造られ、9月下旬にTX総合基地に搬入された。残る4編成は12月と来年1月にそれぞれ到着する。

デザインコンセプトは「継承、進化、洗練」。コンセプトカラーの青と赤は従来のままで、外観は先頭車両前面の傾斜を強くしたデザインになっている。

車内は、車両連結面の仕切り扉を全面強化ガラスにするなど、開放感ある内装を実現。ドア上部に設置してある大画面の液晶表示器は英語、中国語、韓国語の案内に対応している。利用者の意見を取り入れ、座席のクッション性を高め、窓には紫外線を抑制するUVカットガラスを採用した。

UDシートは、首都圏では相模鉄道に次いで2例目となり、全車両に導入した。3人掛けで座席間には手すりが設置され、一般の座席に比べ高さが1・5センチ上がり、妊婦やお年寄りの立ち座りが容易となる。

ベビーカーや車いすの乗客に対応するフリースペースは、これまで1編成2両のみだったが全ての車両で用意。つり手の数は1編成当たり932個と従来よりも最大で208個増加した。防犯カメラは全車両のドア上部4カ所に設け、車内のセキュリティー向上を図っている。

同社車両課の志田秀行係長は「来春のデビューに向けて現在は車両の機能確認や試験を行っている。朝のラッシュ時に乗りやすい、便利な車両として利用してもらいたい」と話した。新型車両は来月3日のTXまつりで一般公開される。

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