《食いこ》arroser…(水戸市)  地物野菜生かしフレンチ

茨城新聞
2019年1月20日

水戸市吉沢町にあるフレンチレストラン「arroser…(アロゼ)」。落ち着いた雰囲気の外観は黒。店内は白い壁、打ちっ放しのコンクリートで色味が抑えられている。契約農家から届く旬の野菜を使った彩り豊かな料理が主役となるような空間が広がっていた。木のぬくもりと手作りのドライフラワーがほんのりと色を添える。1人客でも入りやすいようにカウンター席が設けられている。

オーナーシェフの高野伸一さん(50)が妻の宏美さん(35)と営む。高野さんによれば、アロゼは食材に油をゆっくりかけて火を通すフランス料理の調理法のことで、カモ肉料理などに使われるという。

高野さんは常陸太田市出身。大阪府の調理師専門学校を卒業後、東京のフレンチレストランで修業し茨城に戻った。つくば市の結婚式場、日立市のホテルを経て2015年に同店を開いた。「リーズナブルな値段で本格的なフレンチを提供する。食べ慣れない人にも来てほしい」と話す。

メニューはランチ、ディナーともにコース料理を数種類提供するが、ランチは1500円(オードブル1品・スープ・魚か肉料理・プチデザート・飲み物・パン)からと手頃。

開店に当たり「なるべく地物を使いたい」と野菜を仕入れる農家を探した。畑に出向き、生産者から話を聞いた。「人柄に引かれた。生産者の方が愛情を込めて育てているのが分かった」と夫妻。野菜は常陸太田市と常陸大宮市の無農薬で有機肥料で栽培する2軒の農家から届く。魚や契約農家から届く以外の野菜は毎日、市場に通って仕入れる。パンも自家製だ。料理の内容は基本月替わり。

高野さんは「契約農家さんが作る野菜は芸術品のようにきれい」とほれ込む。「おいしい料理を作るのは大前提。生で食べてもおいしい契約農家さんの野菜を自分の料理で表現したい」と工夫を凝らす。この日の魚料理は「スズキのポワレ」はオリーブオイルを合わせ洋風に仕上げた、磯の香りが広がるアオノリのソース。大根やニンジンなど付け合わせは冬野菜がたっぷりで、セリは根を揚げ、葉は飾りにあしらった。

■お出かけ情報
フレンチレストラン「アロゼ」
▼住所は水戸市吉沢町323の1
▼営業時間は午前11時半~午後3時、同5時半~10時(ラストオーダー同8時半)
▼定休は火曜と不定休(1月21日は休み)
▼(電)029(246)6508

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