烏山城の魅力満喫 築城600年記念イベント 見学ツアーにぎわう 春風亭昇太さんトークも

下野新聞
2018年10月15日

 【那須烏山】烏山城築城600年記念事業(同実行委員会主催)が14日開かれ、さまざまなイベントが行われた。城跡の見学ツアーには当初の募集人数を上回る申し込みがあり、市内外から訪れた人でにぎわった。烏山高金井キャンパス体育館では、城好きで知られる落語家春風亭昇太(しゅんぷうていしょうた)さんらによるトークライブなども行われ、烏山城の魅力を満喫する1日となった。

 烏山城は1418(応永25)年に那須氏一族の沢村五郎資重(さわむらごろうすけしげ)が築いたとされる山城。明治期に廃城となったが、現在も烏山地区中心部に遺構がある。

 見学ツアーには約120人の申し込みがあった。参加者は烏山高近くの七曲口(ななまがりぐち)から城跡に入り、約1時間半かけて本丸などを見て回った。

 案内役の市職員が細長い登城口や堀などの造りの特徴を解説し、敵の侵攻を防ぐ工夫が随所に施されていることを説明した。

 友人3人と参加した埼玉県草加市氷川町、会社員上條咲子(かみじょうさきこ)さん(42)は「烏山城には初めて来た。関東では石垣が残っている城が少ないので印象的だった」と満喫した様子だった。

 昇太さんは城郭ライター萩原(はぎわら)さちこさんと対談。烏山城跡について「遺構が手つかずできれいに残っていて非常にいい」と強調し、「国史跡になれるくらい素晴らしいと思うので、大切にしてほしい」と呼び掛けた。山城への愛があふれるトークに、約1千人の来場者から笑い声と拍手が起こった。

 会場では烏山語りの会による烏山城にまつわる民話の披露や、市内の小学生がJR烏山線の蓄電池駆動電車「アキュム」、烏山城などをテーマに描いた絵画の表彰式なども行われた。