菊まつり、装い新た 笠間、茨城大協力で演出

茨城新聞
2017年8月19日

日本最古の菊の祭典「笠間の菊まつり」(同まつり連絡協議会主催)が、若者のアイデアにより、装いを新たにする。今秋110回目の節目を迎えるが、最近の来場者数は頭打ち。若者にも受け入れられるイメージづくりをと、茨城大に協力を仰いだ。和傘や笠間焼など、笠間にちなんだ物と菊を組み合わせ、会場周辺を彩る計画だ。

まつりは菊人形展などで知られ、同市笠間の笠間稲荷神社をメイン会場に約1カ月間開かれる。今年の会期は10月21日~11月26日を予定している。

まつりの来場者数は昨年78万人。市内イベントでは最多を誇り、人気の「笠間の陶炎祭(ひまつり)」(7日間)をはるかに上回る。ただ、ここ10年は2009年の82万4千人をピークに頭打ち。最近2年は80万人を割り込む状況で、協議会は「菊は若い人の受けが良くない。幅広い客層に来場いただけないと減少の一途をたどる」(市商工観光課)と危機感を募らせる。

このため同協議会は3月、まつりの演出などを茨城大に依頼。工学部景観・都市デザイン研究室の学生3人が熊沢貴之准教授(44)の指導の下、菊の花の見せ方を検討してきた。

3人が着目したのは来場者の動線となる笠間稲荷門前通り。これまで鉢植えを飾るだけだったが、笠間ならではの物を菊と組み合わせ、魅力を引き出し合う空間をつくり出す。

門前通りは店舗が並ぶ約300メートルにわたり、笠間の「かさ」にちなんだ和傘を飾る。「心躍る」イメージを狙い、波打つように高さを変えて配置。夜間にライトアップし幻想的な風景に変える。

通り沿いにテーマ性のある空間も設ける。笠間焼のつるし飾りを並べる「陶菊の回廊」▽稲田石の石切山脈に見立てた石壁などを設ける「稲田石の間」▽菊を入れた木製ショーケースを立体的に並べて品種を紹介するコーナー-など。

同研究室の阿武知佳子さん(22)は「若者の視点を生かし、楽しめる空間にしたかった」、川勝美佳さん(22)は「伝統の中に新しさを感じられる表現にした」と思いを語る。

アイデアは協議会のメンバーに好評価を得た。ただ「予算との整合性は」「傘が風で飛ばされないか」など心配の声もある。本間敬会長(60)は「計画通りにできるように」と予算や安全性の確保に努める考えで、「次の100年の足掛かりにするため、何かを変えなければ」と意気込む。 

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