夢の寝台、笠間発「湯飲み」 「四季島」に井上さん作

茨城新聞
2017年4月9日

JR東日本が5月から運行する豪華寝台列車「トランスイート四季島」の食器に、笠間市の陶芸家、井上英基さん(47)が制作した湯飲みが採用された。「モダンな和」の車両空間の中、奥深い緑色釉(ゆう)が旅の食を演出する。井上さんは「夢の寝台列車に自分の器が使われて光栄。食事は旅の醍醐味(だいごみ)の一つ。おいしい思い出づくりのお手伝いができればうれしい」と笑顔で話している。

四季島の料理は、日本人として初めてミシュラン一つ星を獲得した中村勝宏氏(JR東日本グループ日本ホテル取締役統括名誉総料理長)が監修する。車内の総料理長は、中村氏に師事し、北海道洞爺湖サミットで料理に携わった岩崎均氏(ホテルメトロポリタン丸の内テンクウ料理長)が務める。

岩崎氏は、四季島で使う和食器類を東日本エリアの焼き物から選定する中、碧彩(へきさい)釉と呼ばれる緑色の釉薬を施した井上さんの作品が「旅のコンセプトや内装の雰囲気に通じる」と直感。昨秋、湯飲みの制作を正式に依頼した。

井上さんは試行錯誤を重ね、2種類の湯飲みを完成させた。一つは、碧彩釉と白い釉薬とを上下に施したもので、紺碧の海と白い砂浜をイメージさせる。「四季島は、日本海沿いを走るルートがあるので、美しい海の風景を想像して表現した」と井上さん。もう一つは、車内に漂う「モダンな和」の雰囲気に合わせ、碧彩釉と白い釉薬を縦じま状に施した。それぞれ「碧彩湯飲み」「碧彩千紋(せんもん)湯飲み」と名付けた。

大きさは共に高さ10センチ、口径7・5センチ。緩やかなカーブの造形が心地よい手触り感を生み出している。湯飲みは、車内のダイニングで提供される和食料理で使われる。

井上さんは「豪華寝台列車の食器制作という名誉ある仕事をいただき感謝している。焼成するとき、釉薬が思い通りに流れないなど失敗も多かったが、完成した時は、通常の創作とは一味違う喜びがあった」と振り返る。

二つの湯飲みは後日、「笠間工芸の丘」(笠間市笠間)でも販売される予定。

★寝台列車「トランスイート 四季島」

10両編成、定員34人。発着はJR上野駅。北海道や東北を周遊する3泊4日コースと、東北などを巡る2泊3日コース、甲信越などを巡る1泊2日のコースがある。車両デザインは、工業デザイナーの奥山清行さんが担当。車体色はシャンパンゴールド。室内は、壁に木や和紙の素材感を取り入れた落ち着いた空間に仕上げられている。

いのうえ・ひでき 1970年、水戸市生まれ。日本現代工芸美術展などで活躍。2015年、碧彩釉を用いた大鉢が第23回日本陶芸展で最高位の大賞に輝く。茨城工芸会員。

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