潮来のろ舟や農業体験 交流事業で大学生7人

茨城新聞
2016年9月19日

観光学を学ぶ大学生がつくる日本学生観光連盟のメンバー7人が17、18の両日に潮来市を訪れ、ろ舟の乗船や人力車の乗車、農業体験などを通して同市の魅力に触れた。国交省による地方振興事業の一環で、自治体による「若者の地方体験交流」を後押しするもの。同市産業観光課は「若い人たちから潮来への率直な意見を聞き、観光振興に生かしたい」と市政に反映できる学生の意見や、学生からの情報発信に期待を寄せる。

同事業では、若者の地方体験交流を実施する全国各地の自治体の情報を、国交省が取りまとめ、参加者募集のPRを行っている。本年度は全国で73自治体が体験交流を受け入れており、本県では同市のみ。

参加した7人の大学生たちはまず、同市あやめの水郷潮来あやめ園で、ろ舟に乗船。前川をゆったり手こぎで進むろ舟からの景色を楽しみつつ、ろ舟保存会メンバーから指導を受けて、慣れない手つきでろこぎも体験した。

市が本年度から導入した人力車に乗り、せんべいの「にしくら」では手焼きを、「井関農園」ではイチゴの苗の剪定(せんてい)など農業体験も行った。同農園では、地元で正月に出される「海草寄せ」や旬の栗おこわ、地元野菜を使ったけんちん汁などを味わい、地元住民と交流した。道の駅いたこや長勝寺、水郷旧家磯山邸も見学した。

潮来観光についての講話では、市産業観光課の榊原徹課長補佐が、交通の要衝として発展した水郷の歴史や潮来の名を全国に知らしめた橋幸夫の「潮来笠」の歌詞などを解説。「地元の文化をどう観光に生かすかが重要。皆さんの率直な意見を頂きたい」と呼び掛けた。

新潟県長岡市出身の横浜商科大貿易・観光学科3年の富永希さん(21)は「読み方も分からなかった潮来だが、緑が多く、風情があって良いまちと感じた。私も地方出身者なので、帰省したような気持ちになった。SNSなどで魅力を伝えたい。大学卒業後は古里を活性化する仕事に就きたい」と話した。

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