四重奏の音色 観客魅了 日立のカフェ 弦楽団、クラシック演奏

茨城新聞
2016年9月20日

英国立音楽学院卒業者でつくるドルシネア弦楽四重奏団が、日立市桜川町のコミュニティーカフェ「さくら茶房」(石川博之さん経営)で同市初公演を行った。世界有数の音楽学校出身者が奏でる、クラシックから日本の童謡「赤とんぼ」まで幅広い演奏は、会場を埋めた観客を魅了した。

同四重奏団は常陸太田市出身のバイオリニスト、牛草春(うしぐさはる)さんと英国の若手演奏家3人で結成。それぞれがソリストとして活動しつつ、四重奏団としても精力的に演奏活動を行っている。3回目の日本ツアーは東京、横浜、茨城、滋賀、青森を回る予定。今回は茨城会場の都合で日程が空き、実現した。

クラシックの王道ベートーベンや北欧の民謡、初演奏の「赤とんぼ」など9曲を披露。アンコールにも応えた。コンサート後、メンバーとの交流会も開かれた。50代の大江広さん、恵子さん夫妻は「身近な場所で敷居を低くしてもらった感じ」「ちょっと緊張したが知っている曲もあって楽しめた」と満足そう。

牛草さんは「会場の響きと楽器の響き、お客さんの空気が融合して気持ちよく演奏できた。クラシックは堅苦しく思われがちだが、聴きやすい曲やなじみやすい曲もたくさんあるので、身近に感じてもらえれるコンサートをやっていきたい。また来たい」と笑顔を見せた。

同店は工場跡地に、「地域の交流の場、文化の発信の場」として今年3月に開業したレンタルスペース付き茶房。演奏会開催は初めてで、同店の杉山真理子さんは「今後はプロ、アマ問わずに演奏会を開ければ」と話した。

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