古河で土井利位展 雪研究の藩主紹介

茨城新聞
2016年4月18日

江戸時代に雪の結晶を顕微鏡で観察した旧古河藩主、土井利位(としつら)の業績とその社会への影響を紹介する企画展「雪の殿さま 土井利位」が、古河市中央町3丁目の古河歴史博物館で開かれ、多くの来館者の注目を集めている。利位が刊行した雪の結晶についての図鑑「雪華図説」の解説のほか、江戸時代の雪の結晶のデザインの流行を今に伝える衣類や刀剣、調度品類、浮世絵など計48点が展示されている。5月5日まで。

利位は1832(天保3)年に、雪の結晶の形を描写した「雪華図説」を刊行。雪の結晶のデザインは同書刊行をきっかけに流行し、大名だけでなく庶民にまで広まった。

展示は、鎖国時代に欧州の先進文化に触れた利位を巡る歴史背景を理解できるだけでなく、美術としても楽しめる。

昨年11月には、利位による雪の結晶研究に構想を得た、鷹井伶さんの小説「雪の殿様」が、白泉社(東京都千代田区)から刊行されている。

同館学芸員の永用俊彦さんは「利位の『雪華図説』は日本最初の雪の結晶の観察図鑑。その影響とともに、広く知ってもらえるきっかけになれば」と話している。問い合わせは同館(電)0280(22)5211

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