海軍航空隊の資料展示 19日から小美玉 戦争の記憶受け継ぐ  

茨城新聞
2015年9月6日

戦時中に茨城県南地域にあった海軍航空隊について考える「海軍航空隊の記憶」と題した戦後70年の企画展が、19日から、小美玉市高崎の市生涯学習センター・コスモス内にある玉里史料館で開催される。阿見町にあった霞ケ浦海軍航空隊をはじめ、同市にあった百里原海軍飛行場に関する資料の展示や、戦争体験者による講演、ゆかりの地を訪ねる歴史探訪講座などを予定。戦後70年を機に戦争の悲惨さや平和の尊さを考える場にする。

現在、航空自衛隊百里基地と茨城空港がある付近には戦時中、筑波海軍航空隊の分遣隊として置かれた百里原海軍航空隊の補助飛行場が存在した。飛行練習生教育は、戦火が激しくなると実用機の操縦や偵察機の教育へと変わり、終戦間際には沖縄方面への特攻に関わるようになった。

展示では、米軍が撮影した同飛行場の航空写真や、掩体壕(えんたいごう)群など海軍航空隊の関連施設で行われた発掘調査の出土品のほか、土浦海軍航空隊の予科練生の備品などを常設する。

20日と10月24日は午後1時半から、見どころを紹介するギャラリートークを開く。

10月3日には、元予科練教官、元特攻隊員らによる戦争体験の講演を行い、学徒動員や特攻隊、飛行機だこの存在など戦争の体験談や、平和への思いを伝える。11月8日は歴史探訪講座「百里原海軍航空隊ゆかりの地を巡る」(参加費500円、定員20人、事前申し込み)がある。

企画展は11月22日まで。同市が来年3月に迎える合併10周年の記念事業の一つ。月曜、祝日と10月13日は休館。入場無料。

同市生涯学習センターは「戦後70周年という節目に、海軍航空隊の歴史を振り返り、戦争と平和について考えてもらいたい」と話している。

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