東洋文庫の名品紹介 茨城県立歴史館で特別展
アジア最大級の東洋学研究図書館、東洋文庫の所蔵する書物、地図、絵画から厳選した名品を紹介する特別展「知の大冒険-東洋文庫 名品の煌(きら)めき-」が、水戸市緑町の茨城県立歴史館で開かれている。学校の教科書などで見た有名な書物など貴重な約100点を間近で見ることができる。11月23日まで。
マルコ・ポーロの旅行記「東方見聞録」の1496年ベネチア刊の本、フランス王妃マリー・アントワネットの旧蔵品といわれる「イエズス会士書簡集」、世界初の近代地図帳「世界の舞台」に収められた1枚で、日本も描かれている1570年の「アジア新図」など、目を見張る品が並ぶ。
そのほか、現存する論語の解説書では最古の「論語集解(ろんごしっかい)」(1315年書写、重要文化財)、6世紀前半の中国の詩文集「文選(もんぜん)」の代表的な注釈を再編集し、平安時代の日本で書写された「文選集注(しっちゅう)」(国宝)も展示されている。
会場内は「東洋の旅」「西洋と東洋 交わる世界」「世界の中の日本」の3章に分かれている。展示を担当した同館首席研究員の石井裕さん(45)は「千年以上前の資料も展示されている。普段見ることのできない貴重な文献を見てほしい」と話す。
東洋文庫は1924年、東洋学の研究図書館として三菱財閥3代目の岩崎久弥が設立した。蔵書は国宝5点、重要文化財7点を筆頭に100万冊を超える。
午前9時半~午後5時。月曜休館(10月10日は開館し、翌日休館)。入場料一般610円、大学生320円、満70歳以上300円。高校生以下など無料。問い合わせは同館(電)029(225)4425。