仮想空間に伊香保温泉 地元経営者らが立体CG制作

上毛新聞
2022年10月3日

伊香保温泉(群馬県渋川市)のメタバース(インターネットの仮想空間)を制作し、観光振興に役立てる「伊香保温泉デジタルプロジェクト」が進んでいる。温泉街全体の立体コンピューターグラフィックス(3DCG)を制作し、世界中どこにいても仮想の温泉街での“散策”や買い物などを楽しめるようにして、知名度向上や現実の温泉街への誘客などにつなげる。

プロジェクトを進めるのは、地元の企業経営者ら4人でつくる「伊香保デジタル化実行委員会(仮)」(田中一行委員長)。

女性アイドルグループのプロデュースを手がけた経験のある藤井直樹さん(40)=渋川市=と、造形家の小島充則さん(40)=吉岡町=が発案。高崎市でIT企業を経営する石川元太さん(32)らを巻き込んで2月ごろから検討を始めた。渋川伊香保温泉観光協会も協力している。

仮想空間の温泉街は来春までに完成させる予定。数回に分けてクラウドファンディング(CF)で資金を集めながら制作する。完成後は温泉旅館や商店が仮想空間上で商品販売や名物の魅力紹介を行うほか、QRコードを介した現実の温泉街との連動イベントなどを想定している。

このほか拡張現実(AR)の動画で石段街に温泉まんじゅうを転がしたり、榛名富士をつくったとの伝承が伝わる巨人、ダイダラボッチを登場させるといった仮想空間ならではの仕掛けも考えている。

第1弾として10月に石段街の「なつかし横町」付近の3DCGアニメーションを公開予定。周囲360度の風景を楽しめる3~5分の動画で、制作資金をCFサイト「キャンプファイヤー」で同10日まで募集している。協力者は返礼として動画内の看板に広告を出したり、動画のエンドロールに名前を載せたりできる。

実行委員長の田中さん(41)は「伊香保に実際に足を運んでもらうためのツールとして利用できるようにしたい」と話している。

問い合わせは田中さん(0279-23-6132)へ。

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