茨城・《釣り》大子の八溝川でイワナ狙い 滝の手前で連続ヒット 手応えあった25センチ

茨城新聞
2022年9月10日

山々が連なるわが町、茨城県大子町。くねくねとした細い道を少し分け入っていけば、誰でもその景色の中で山遊びを楽しめる。今回は茨城の最高峰「八溝山」の南側を流れる八溝川でイワナを探してみた。

8月下旬、同川流域に数カ所存在する「支流」を釣ってみることにした。細い林道へ入り、谷をのぞき込むが白い霧に覆われて流れは見えない。

斜面を伝って谷に降りるとひんやりと重い空気に包まれた。さおは渓流用の6メートル、ミチイトは04号、針は餌のミミズを刺すのに適したものを選ぶ。

今回準備した針、糸など

 

 

上流へ歩きながら、魚の潜みそうな流れを見つけてさおを伸ばす。「ぴんぴんっ!」と激しく餌に飛びつくアタリは小さなヤマメ。次々にかかるが、なるべく体に傷を付けないように針を外して流れに戻す。

餌釣りの場合、喉の奥まで針をのみ込まれてしまう場合があり、リリースしても魚にダメージが残る。なので私は大きめの針を使うか、あるいは大きな餌を付けるなどして針をのまれないようにしている。

水温は摂氏17度。水は澄み、川底の石にヌメリはなく歩きやすい。黒くぎざぎざの岩盤が多く、偏光サングラスを通してイワナの影がちらほら見える。どうやら今日は岩場の緩い流れにいる感じだ。

流れの芯にいるヤマメを避け岩の陰にそっとミミズを落とすと、岩の下に引き込むようなアタリがでた。釣り上げたのは18センチほどのイワナ。青黒い体色は八溝川イワナの特徴。昼でも薄暗い流れと黒っぽい岩に擬態しているのだろう。

しばらく歩くと滝がある。この時期イワナは上流へ移動する習性があるので魚止めとなる滝の下は期待が持てる。すると滝の手前から20センチくらいのイワナが連続でヒット。1カ所で1匹、それぞれテリトリーを持っている感じだ。

コケが付いた大きな岩を越えて上流方面に顔を出したその時、緩い流れに30センチはあろうかというイワナを発見。針にとびきり太いミミズを刺してさおを伸ばし、流れに放り込んだ。

すると岩の陰からもう1匹飛び出してきてミミズを横取りした。「邪魔だ邪魔だ」。でもこっちもなかなかの手応えだ。岩の下に逃げ戻ろうとするのを、さおを寝かせて強引に引きずり出して陸にずり上げた。

大きさは25センチ。尾びれが大きくて泳ぎの得意そうなやつだ。手早く写真を撮ってリリース。一瞬で見えなくなった。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)