甲冑 手作り熱気 真田氏ゆかりの沼田 行列や“合戦”へ個人、同好会活動

上毛新聞
2016年1月7日

放送が10日に始まるNHK大河ドラマ「真田丸」で注目される真田氏ゆかりの沼田市で、手作りの甲冑(かっちゅう)製作が熱を帯びている。プラスチックなど安価な材料で本物さながらに仕上げるのが特徴。個人だけでなく、活動の一環として甲冑作りに取り組み始めた同好会もある。武者行列や信州真田鉄砲隊の演武を披露する「戦国ストリートin沼田」をはじめとした市内のイベントの盛り上げ役としても期待されている。

大河ドラマに合わせ、製作歴6年の鈴木章夫さん(58)=同市高橋場町=は昨年3月、主人公の真田信繁(幸村)をイメージした赤い甲冑を作り始めた。市民活動センター職員として働く傍ら、帰宅後や休日の空いた時間に作業して8カ月がかりで完成させた。
胴や肩の部分は赤いプラスチック板で作り、ひもや着物の帯布などで装飾を施した。かぶとはヘルメットを漆で塗り、シカの角を付けた。ミシンを使って陣羽織も縫った。材料は知人から譲り受けた物を活用しており、「いろいろな知り合いの方が協力してくれるおかげで仕上げられる」(鈴木さん)と感謝する。
沼田のPRのために2010年に甲冑を作り始め、現在までに20点を仕上げた。信繁の兄で沼田城主を務めた信之(信幸)の甲冑製作も予定している。
群馬奥利根連合そば会の会員有志が物作りに取り組む部会「つくる会」は昨年10月下旬から2週間に1度のペースで市内で甲冑を作っている。キャラクターを通した魅力発信や地域活性化に取り組む「上州真田 信之・小松姫プロジェクト」のメンバーで、趣味で甲冑を製作する小峰維斗(ゆきと)さん(38)=東京都=を講師に迎えた。
市内外の50~70代の10人ほどが参加。自分用のほか、孫へのプレゼントに作る人もいる。完成後は市内で開かれる祭りや行事に着用して参加する予定という。
小峰さんは「自分を含めて幼いころに甲冑に憧れた人は少なくないはず。購入には数十万円必要だが、自作なら1万円以下に抑えられる」と説明する。
母親が沼田市出身という小峰さん。地域活性化のため、軽くて動きやすいというプラスチック製の利点を生かして自作愛好者が数百人規模で合戦を再現するイベントも計画する。