「大人の林間学校」で収益力高め発信も狙い集客 赤城少年自然の家
小中学校の林間学校を受け入れている前橋市赤城少年自然の家(群馬県同市富士見町赤城山)は、成人利用を促す宿泊プラン「大人の林間学校」の提供を始めた。子どもの頃に体験したカッターこぎやキャンプファイヤーを楽しめる。コロナ下で学校利用が減り、老朽化する施設の維持管理費が課題となる中、利用者の裾野を広げて収益力を高める。成人に赤城山の魅力をPRして将来的な移住につなげることも想定している。
家族や友人同士など8人以上の団体が対象。カッターこぎやキャンプファイヤー、バーベキューなど小中学校の林間学校向けに提供するプログラムの中から、体験したい内容を自由に選べる。10月まで受け付ける。
埼玉県内の医療機関に勤める20~30代の9人は6月下旬に同プランを利用し、バーベキューとキャンプファイヤー、ナイトハイクを体験した。参加した竹沢忍さん(30)は「密にならずに旅行できる場所を探していた。自然が豊かで都会にはない魅力がある」と満足そうだった。
同施設によると、2020年と21年は、林間学校による利用がコロナ前と比べて9割減った。今年も2泊の日程を1泊や日帰りに短縮したり、延期や中止したりする学校が多いという。
プランは、同市移住コンシェルジュの鈴木正知さんが発案した。県外から利用者を呼び込み、移住促進に役立てる狙いもある。
施設を指定管理するNSP群馬(高崎市下豊岡町)は「収益力を高めるとともに、前橋や赤城山の魅力を発信したい」としている。
基本は1泊3食付きで1人3300円。カッターこぎなどの各プログラムの利用には別途料金がかかる。
問い合わせは同施設(電話027-287-8227)へ。