地元のコメで純米吟醸 市貝町と惣誉酒造 来年3月、サシバの里PR ラベル、箱デザイン公募

下野新聞
2022年6月7日

【市貝】町と上根の蔵元「惣誉(そうほまれ)酒造」が町内産のコメを使ったオリジナルの日本酒の醸造販売に乗り出した。酒の名は「惣誉 サシバの里帰り 純米吟醸」。今月から町がラベルや箱のデザインを公募し、醸された酒は里山の猛きん「サシバ」にかけて来年3月4日午前8時に発売する。

サシバが繁殖する里山の豊かな自然に恵まれた町のコメを100%使った地酒を町の活性化とPRにつなげたいと、町が昨秋、同社に醸造販売を提案。酒のラベルと化粧箱のデザイン公募の関連費用72万5千円を6月補正予算に計上し、可決された。

商品名は「サシバが安心して帰れる環境を町が保ち、町に関わる人が故郷を思って飲める親しみやすい名に」と同社が名付けた。売り上げの一部は町に寄付され、自然保護に使われる。

今月中旬にデザインコンペの募集サイトに記事を掲載するなどして8月末まで公募。9月に審査を行い、最優秀作の応募者には賞金30万円と副賞が贈られる。

コメは酒造好適米の「五百万石」で、町内の農家で先月、宇都宮大の学生も手伝い田植えが行われた。収穫後55%まで精米して醸造される。

720ミリリットル入り2千円前後の小売価格を想定し、12月中旬から店頭とネットで予約を受け付ける。

同社は現在、兵庫県産の高品質な酒造好適米を主に原料米として日本酒を醸造しており、町内産のコメは使ってこなかった。

同社の河野道大(こうのみちひろ)専務(31)は「前々から町内産を使ってみたいと考えていた。惣誉らしい、料理と合う落ち着いた味わいの酒になると思う。コンペでデザインするラベルにも期待している」と話した。