御城印でまち元気に 茨城・牛久の池田さんと飯田さん 地域史に光、集客目指す

茨城新聞
2022年5月20日

御城印をつくって売ってまちを元気に-。

茨城県牛久市の若者が地域活性化のために立ち上がり、こんな活動を繰り広げている。池田翔太さん(27)と飯田匠さん(27)の「Local Activate」だ。御城印をイベントや各地の商店で販売し、人気を集める。地域に足を運んでもらうとともに、土地に根差した歴史に触れてもらう狙いがあり、2人は「全国から人が来てくれる」と手応えを感じている。

カッパが駆け、ウナギが跳ね、白鳥が泳ぐ。中世の岡見氏の城で、牛久沼に臨む地に築かれた「牛久城」の御城印だ。2人で協力して制作した。

御城印は、神社仏閣を巡って集める「御朱印」の城版に当たる。2人はこれまでに、牛久市や阿見町など県南地域にあった城を中心に30種近くを制作した。文献調査に加え、地元住民からの聞き取りも欠かさないという。

スタートは2019年。大学院で幕末維新期の歴史を研究していた池田さんが、高校の同級生だった飯田さんを誘った。それぞれ代表と副代表を務める。池田さんは「御朱印ブームにあやかった。地域の歴史も、光を当て続けないと忘れられてしまう」と活動の意義を語る。

オリジナルの御城印は、城跡近くの商店や施設に取り扱ってもらう。販売イベントも開催し、地域のにぎわいづくりに一役買う。印刷版のほか、イベントで限定販売する直筆版がある。価格はそれぞれ330円と500円に設定した。

今月3日に龍ケ崎市内で開いた販売イベントには、約100人が詰めかけ、県外の人も多かったという。飯田さんは「愛好家と商店を結び付けられることに充実感がある」と力説する。

今のところ、活動の足場は県南地域にあり、年内には牛久市内に事務所を構える予定。現在は2人ともフリーランスだが、将来的には法人化も視野に入れる。2人は「ゆくゆくは県内全体で活動の場所を広げたい」と意気込む。