先端科学に親しんで 物材研が展示場 茨城・つくば駅前 研究成果分かりやすく 8月末まで

茨城新聞
2021年7月24日

物質・材料研究機構(茨城県つくば市、物材研)は、つくばエクスプレスつくば駅前の商業施設トナリエクレオ3階に期間限定の展示場を開設した。最先端の物質研究を分かりやすく紹介し、子どもから大人までが科学に親しめる場をつくる。研究学園都市の研究機関では初めての試み。8月末までの予定。

物材研は毎年春に施設の一般公開を行い、研究成果を紹介してきた。2015年に600人だった来場者は、19年には5800人と約9倍に増加。しかし新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛要請に従い20、21年は中止された。代わりに動画投稿サイト「ユーチューブ」で物質研究の面白さを解説。登録者は17万人と人気を集めている。そのノウハウを生かし、感染対策をした上で常設展示を決めた。

展示場は約33平方メートル。研究所で使う実験台を置くほか、物材研が開発した先端科学技術のうち八つの成果を紹介するコーナーを作った。「耐熱超合金」は1130度の熱に耐え、ジェット機のエンジン内で使われている。「サイアロン蛍光体」は赤い成分を出せるきれいな白色LED(発光ダイオード)で、液晶テレビや照明など全世界で使われている。

小中学校への出前教室を行い、ユーチューブで解説を務める小森和範研究員は「材料を見て触れてもらい、面白さや不思議さを体験できる場にしたい。若い人が材料分野で進路を目指すきっかけになれば」と期待。小林隆司広報課長は「より幅広い人たちに立ち寄ってもらい、アピールする」と語った。

25日まで実験ショーやクイズなどの催しを開く。展示場の開設期間は延長も見込んでいる。

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