みなかみで降雪188センチ コロナ対策万全でスキーシーズン到来
群馬県内は16日、冬型の気圧配置の影響で前日に続いて北部で大雪となった。みなかみ町藤原では16日午後10時までの48時間降雪量が188センチとなり、過去最大を更新。藤原では住宅の屋根や玄関に雪が積もり、車のライトをつけて慎重に運転するドライバーの姿が目立った。
みなかみ町は、16日午前3時ごろから除雪車をフル稼働させて対応した。藤原地区の男性(39)は「15日の朝からどんどん雪が積もり、16日夕方には自分の背丈より高くなってしまった。雪かきも雪下ろしも間に合わない」と慌てた様子だった。
◎スキー場は“恵みの雪” ガイドラインや事前予約システムなど受け入れ態勢整える
全国的に新型コロナウイルス感染が再拡大する中、群馬県内各地でスキー場が営業を開始し、スキーシーズンが本格的に開幕した。雪不足でオープンが遅れたスキー場もあったが、寒波到来による“恵みの雪”に関係者は胸をなで下ろす。一方、政府の観光支援事業「Go To トラベル」は28日~来年1月11日に全国一斉の停止が決定。自粛ムードが強まる中で、各スキー場は感染防止対策に力を入れ、スキーヤーの受け入れに備える。
県内トップを切って11月下旬に営業を開始した鹿沢スノーエリア(嬬恋村)。競技用ポールの練習ができるコースが常設され、例年は学校のスキー合宿や競技者らでにぎわうが、今シーズンは団体の予約が全てキャンセルになった。多くの人が集う競技会も実施が見通せないという。
スキー場を運営する五輪観光は「コロナ対策も大変な中で誘客もできず、例年以上に運営が難しい。リピーターや口コミに頼るしかない」(市川憲治社長)と手探りでの営業が続く。
各スキー場は感染対策に力を入れる。パルコール嬬恋スキーリゾート(同村)は、スキー用具のレンタルに事前予約システムを導入した。サイズや日時などを事前にインターネットで予約してもらい、密になりやすい受付場所での手続きを簡略化させる。また、屋内レストランのテークアウトメニューを充実させ、車内や屋外でも食事ができるように配慮するなどして、19日のオープンに備える。
奥利根スノーパーク(みなかみ町)は、レストランのテーブルやドアノブなどに抗ウイルスコーティングを施した。水上高原スキーリゾート(同町)では、スキーやスノーボードのレッスンで受講料が最大8000円引きになるサービスを実施。プライベートレッスンの受講を促し、客同士の密接回避につなげる。
12日にオープンした草津温泉スキー場(草津町)は、感染予防の独自ガイドラインを作成。受付やレストラン入場口への自動検温器の設置や、グループ以外のリフトの相乗り禁止、肌に直接触れるグローブのレンタル中止など場面に応じた対策を徹底し、利用客にも協力を呼び掛ける。
運営する草津観光公社の長井英二社長は「Go Toが一時停止となり、どのくらい客足に影響するか分からない。ただ、年末年始は家族連れが来てくれる期間でもあるので、安心して楽しんでもらえるよう、感染防止対策を万全にしたい」と話した。