野口雨情の人柄感じる企画展 北茨城市歴史民俗資料館 家族や友人への手紙紹介
北茨城市出身の童謡詩人、野口雨情(1882~1945年)が家族や友人に宛てた手紙に焦点を当てた企画展「友へ家族へ-野口雨情の手紙-」が、市歴史民俗資料館で開かれている。手紙やメモ、持ち物など約50点を展示。父親や家長としての表情、友人に世話を焼いた人柄などを垣間見ることができる。11月8日まで。
手紙では家族に対し、土産を買って帰るから楽しみにしていてほしい旨や、家の維持管理に関する指示などの伝言を書いている。
雨情は離婚を経て2人の妻の間に計12人の子どもをもうけたが、うち3人を幼くして亡くした。このときの悲しみをつづった手帳もある。他にも子がいる、また産まれると周囲に言われても慰めにならない、といった内容だ。
弟分だった声楽家の権藤円立に対しては、後に円立の妻となる花代との関係について、他に縁談が出ているため早く結婚を決断するよう勧める内容の手紙が残っている。
18歳ごろに旧友の渡辺源四郎へ送った手紙には、せっかくの正月に自分は数学の問題を解いているという嘆きを記した。
このほか、印税や原稿料を細かく記録し活動の様子が見て取れる「収入帳」、趣味として外出先で集めた石、本人が身に着けた品なども展示しており、雨情の人となりを感じることができる。
同館の担当者は「雨情の作品はよく知られているが、父親としての表情や面倒見の良さなど、どういう人だったかについても知ってもらえれば」と話している。
開館は午前9時~午後4時半(入館同4時まで)。月曜休館。問い合わせは同館(電)0293(43)4160。
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