《食いこ》明利酒類(水戸市) 多彩な味わいそろう梅酒
花の盛りが過ぎても、果実を加工して梅酒や梅干しなどで楽しめるのも梅の魅力。県内の蔵元でも素材や製法にこだわった梅酒が造られる。
日本酒「副将軍」で知られる水戸市の明利酒類(加藤高蔵社長)は梅酒造りを行っており、容量や容器の違いも入れると約20品目がそろう。梅の実入りの「本格梅酒水戸の観梅」は土産品として人気、「百年梅酒」は種類が豊富。酒類販売部課長の熊田孝典さんは「原酒を熟成させ味に深みを出す梅酒だけでなく、フレッシュな味わいが楽しめる熟成しない新酒も造っている。飲み比べて楽しんでほしい」と多彩な味わい。
青梅で仕込んだ蜂蜜とブランデー入りの「百年梅酒」は2008年、大阪で開かれた第2回天満天神梅酒大会で日本一に輝いた。全国的に評価され、さらに梅酒造りに力を入れるようになった。濃厚な甘さの「完熟特別仕込み」やピューレ状の梅肉が入った「すっぱい完熟にごり」など百年梅酒のシリーズがある。水戸の梅大使の着物柄がラベルの「春花」などデザインにもこだわる。水戸市のブランド梅「ふくゆい」の梅酒は昨年6月に仕込み2月に発売したばかりの新商品。「百年梅酒は香料や添加物を使っていない」と熊田さん。
同社は日本酒や醸造アルコール、焼酎などを製造する総合酒類メーカー。江戸時代に創業され、1950年会社設立となった。日本酒造りに欠かせない酵母を生産販売する会社としても知られる。68年に「小川酵母」(日本醸造協会登録10号酵母)を開発。さらに10号酵母を改良した「M310酵母」を開発し、95年から販売する。酸味が少なく香りの高い酵母は全国の酒蔵で使われているという。
酒造蔵を改装した「梅酒と酒の資料館 別春館」は、梅酒の資料や昔の酒造りに使われていた道具などを展示する。梅酒蔵を併設し、直売も行う。
3月の最終土曜日は恒例の「蔵開き」を開催予定だったが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け中止した。別春館で28日から、蔵開きのときにお目見えする「しぼりたて吟醸生」「本醸造生原酒」「春」を数量限定で販売する。昨年のボトルオーナー申込者の引き取りもできる。
■お出かけ情報
明利酒類
水戸市元吉田町338
▼(電)029(247)6111(代)
梅酒と酒の資料館 別春館
▼水戸市元吉田町327
▼営業時間は午前9時半~午後4時半
▼定休は月曜(祝日の場合は翌日)、2・3月は無休
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