さよなら平成 ようこそ令和 改元まで1週間 祝賀ムード広がる
5月1日の改元まで1週間と迫り、新元号「令和」や「平成最後」に絡めた商品やサービスが群馬県内でも続々登場している。「思い出づくり」「記念日」をキーワードに、祝賀ムードを盛り上げようと事業者は知恵を絞る。自治体では1日に婚姻届を提出する「改元婚」の集中をにらみ、当日限定のサービスなども準備している。
冠稲荷神社(太田市)は「平成最後の奉拝」と記した特別な図柄の御朱印(500円)を追加している。赤色を基調にキツネの絵をあしらう。1日からは緑色を基調にした「令和最初の奉拝」と記す御朱印(同)に切り替える。担当者は「改元に合わせ参詣が増えるだろう」と予想する。
写真館「フォトスタジオ パルク」(高崎市)は、家族の記念写真(3000円)を企画。半紙に毛筆で書いた「令和」の文字を手にして撮影に臨む。家族で撮影した中塚勇介さん(37)は「筆を持つのも久しぶり。改元の節目に、家族で写真が撮れるのはありがたい」と話した。
懸垂幕や歴代元号を紹介するパネル展で盛り上げる高崎高島屋(高崎市)。令和の文字入りの菓子などを数多く用意し、「平成」「令和」を刻んだ純金小判の2枚セット(予約制129万6000円)も販売する。1日の開店時は、来店客に「令和」の焼き印を入れたどら焼き501個を贈る。
酒類販売のリカーパークシーザー(邑楽町)は、新元号をボトルに直接印刷した日本酒(720ミリリットル1800円)とシャンパン(同4000円)を販売する。「特別な酒で改元を祝ってほしい」と呼び掛ける。
だるま工房・吉んと(太田市)は金色の文字で新元号を描いた特製だるまが好評。北関東道の太田強戸パーキングエリアに出荷した初回分は既に売り切れた。「連休中は引き合いがさらに強まるだろう」と想定し増産する方針だ。
和菓子店の新妻屋(前橋市)は27日から令和の焼き印を入れたまんじゅう(200円)を販売。「お祝いムードに協力したい」とする。創業123年の吉田七味店(富岡市)は28日に令和と記した缶入りの唐辛子(25グラム入り864円)を数量限定で発売予定。「受け継いだ味を次の時代にも伝えたい」としている。
「令和」「REIWA」「平成」「HEISEI」といった元号について、特許庁は「商品識別能力がない」としており、商標登録を受け付けていない。担当者は「国内で事業展開する限り、他者の権利侵害には当たらない」と指摘。改元を商機と捉える事業者の動きは、ますます活性化しそうだ。