かつお節の河津商店 国産100%「出汁そば」販売 天然だしの即席麺セット

茨城新聞
2019年3月27日

 かつお節卸の河津商店(石岡市府中、川津英之社長)は、北海道産そば粉と小麦粉を使った即席麺やカツオをベースにした国産天然だしパックなどをセットにした「出汁(だし)そば」の販売に新たに乗り出した。地産地消を進めようと今秋までには常陸秋そばの即席麺も開発する考え。
 
 「カネトヨ」の屋号で知られる同店は明治時代に米穀店を営み、昭和10年代からかつお節を取り扱うようになった。かつお節専門店を始めてから80年以上続く老舗で、3代目となる川津社長は県内外のそば店や日本料理店などにかつお節を卸していることから「各家庭で手軽においしく、体にやさしい和食を食べてもらいたい」(川津社長)との思いで、即席麺でそば屋と同じ味の再現を目指した。
 
 商品は2人前で、即席麺▽だしパック▽本かえし▽とろろ昆布▽花かつお▽七味をセットにしている。化学調味料や添加物を一切使わず、国産100%にこだわった。だしにはかつお節をメインに独特な甘みがあるさば節、昆布を用いた。そばの調味料「本かえし」は、しょうゆ、みりん、砂糖のみを使用し、2018年10月に「天然だしを使用した即席麺セットとその調理方法」が特許を取得している。
 
 製造は秋田県内の製麺会社に委託しており、18年1月の発売から1年間で約8千個を売り上げた。
 
 川津社長は「地元のものを消費することは地域農業の活性化にもつながる。近年は、だしを取るという文化がなくなってきており、『出汁そば』を食べた人がだしのうま味を再認識し、だしを取るきっかけになれば」と話した。問い合わせは同店0299(22)2465

地図を開く 近くのニュース