日光東照宮に白刃きらめく 徳川家ゆかりの武術流派 「奥社」で演武奉納

下野新聞
2019年3月25日

 日光市の世界遺産日光東照宮で最も神聖な場所の徳川家康(とくがわいえやす)が眠る「奥社宝塔」前で24日、徳川家ゆかりの武術流派「知心流松平家」(本部・東京都)による奉納演武が行われた。

 東照宮によると、奥社で奉納したのは江戸時代の朝鮮通信使と琉球使節だけで、参拝は徳川宗家のみに認められる。演武は、家康の祖父松平清康(まつだいらきよやす)から姓を賜った同流派が改元を前に感謝の念を示そうと実施。東照宮が特別許可した。

 第14代宗家松平寿正(としまさ)さん(71)ら約50人が参列し、開かれることのない奥社の扉をくぐった。寿正さんら3人が真剣を持ち、宝塔前で「門外不出」の刀法を披露。森閑とした聖域で白刃がきらめいた。

 寿正さんは「奉納でき感激の一言。宝塔を前にして圧倒され、怖さすら感じた」。稲葉久雄(いなばひさお)宮司は「迫真の演武に、家康公はさぞや神慮を慰められたものと思う」と話していた。