真壁高生と地元酒蔵連携 今年も良い酒出来た 米作りから仕込みも

茨城新聞
2019年2月23日

桜川市真壁町田の酒造会社、西岡本店で、地元の県立真壁高生と醸造した日本酒「明笑輝(めいしょうき)」が出来上がり、発売を始めた。生徒が栽培したコシヒカリと酒米「山田錦」を使った2種類。取り組みは8年目を迎え、固定ファンも増えてきた。

今年は農業科と食品化学科の1、2年生計6人が担当し、米作りから仕込み、瓶詰めまで、同社員と一緒に作業に携わった。

2種類とも生原酒。西岡勇一郎社長は、コシヒカリを使った純米吟醸は「コシヒカリのうま味が乗った味の濃いタイプ」、山田錦の純米大吟醸は「さらっとした喉ごしでフルーティーな香り」と特徴を挙げる。

同校でコシヒカリ約千キログラム、山田錦500キログラムを栽培。仕込み作業は昨年12月から始まった。米作りでは夏の猛暑による高温障害に悩まされたが、最終的に両者とも良質な酒に仕上がった。西岡社長は「冬は暖冬で、作業の時期をずらしながら気候と闘いながらやってきた」と振り返る。

農業科2年の上野裕亮さん(17)は「酒造りの方法はこれまで全く分からなかった。機械の組み立てなど大変な作業もあったが、体を動かすのは楽しく、自分たちが関わった日本酒ができるのはうれしい」と話す。同、本橋スラキットさん(19)は「知らないことを教えてもらいながらの作業は、面白い」とやりがいを語る。

近年は「明笑輝」という一つのブランドとして定着。「いつ発売するの?」との問い合わせも少なくない。真壁のひなまつり期間中の土日曜は生徒が交代で同社で販売実習も行っている。

新酒は大吟醸が720ミリリットル2千円、吟醸が同1600円(いずれも税別)。同社のほか、市内の酒販店で購入できる。

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