《上州行ってみた テーマ施設》一歩入れば「その世界」

上毛新聞
2018年12月22日

テーマパークと言えば、愛らしいキャラクターが出迎えてくれる遊園地がぱっと頭に浮かぶが、県内にはユニークなテーマを掲げる施設が数多く存在する。ある分野の人にはたまらない魅力を持つ味わい深いテーマパーク、博物館を紹介する。

◎三日月村(太田市藪塚町)
やぶづか温泉の丘陵を登っていくと、「上州新田郷三日月村」と書かれた大きな門に迎えられる。関所を通れば江戸時代にタイムスリップ。かやぶき屋根の建物が並び、旅人気分を味わえる。
テーマパークの先駆けとして、1980年に開園。笹沢左保(さほ)さんの小説を基にした72年放送の人気ドラマ「木枯し紋次郎」の舞台を再現した。紋次郎の生家や笹沢さんの直筆原稿などを展示する記念館がある。


人気アトラクションの一つが、地面から約20度傾いた「不可思議土蔵」。自然と体が斜めに傾いてしまう感覚にびっくりする。「絡繰(からくり)屋敷」は8部屋それぞれに仕掛けがあり、子どもから大人まで楽しめる。
村長の伏島一晴(いっせい)さんは「幼い時に来園した人が子どもを連れて来てくれる。これからも続けたい」と話す。入村料は大人600円、子ども300円(税別)。9時半~16時。金曜定休。

◎世界乗物館(安中市安中)


観音像が車に乗った「交通安全大観音像」は高さ6メートルほど。500年以上の歴史を持つ龍昌寺の境内にあり、訪れた人は交通安全を願い、手を合わせる。先代の住職、故小笠原玄堂さんが建立、約700台のミニカーを集めた展示館も開いた。現住職の浅井聖道さんは「交通マナーを見直すきっかけにして」と話している。入館無料。

◎ロックハート城(高山村中山)


城は8月に亡くなった俳優の津川雅彦さんが英国の古城を買収したもの。城内には津川さんが世界中から集めたサンタクロースの人形も展示されている。1993年オープン。優雅なドレスやティアラを借りて写真撮影ができるとあって若い女性を中心に人気。今年は英国風の庭園も新たに完成した。入場料は大人1000円。9~17時。

◎わくわく自販機ミュージアム(前橋市粕川町中之沢)


世界初の自動販売機とされる古代エジプトの「聖水販売機」の復元品、かつて流行した噴水型ジュース自販機、ガムやそば・うどんの販売機など、さまざまな自販機が並ぶ。2012年に開館、愛好家に親しまれてきたが、今月27日で閉館する。入館無料。日本自動販売システム機械工業会(東京都)のホームページから予約が必要。

◎RACING CAFE D’Z GARAGE(渋川市渋川)


榛名山麓などがモデルのカーアクション漫画「頭文字(イニシャル)D」の世界に浸れる。一部のいすにスポーツ車用シートを使ったり、漫画をモチーフにしたプリンやバウムクーヘン、カレーを提供するほか、主人公らの愛車をイメージした車やスポーツカーも展示。ファンの聖地の一つとしてにぎわう。10~18時。火曜定休。

◎製粉ミュージアム(館林市栄町)


日清製粉グループ創業の地、館林にある小麦粉について学べるミュージアム。製粉工程を映像や新旧の機械、タッチパネルで解説し、明治期の建物では創業からの歴史を知ることができる。製粉に関するワークショップも行っている。入館料は大人200円、小中学生100円。10時~16時半。月曜、年末年始休館。

◎陶器と良寛書の館(みどり市東町沢入)


人間国宝の作品を含む国内外の多数の陶磁器と、江戸後期の僧侶、良寛による書を公開している。書は複製品を含め、扇面と掛け軸の計5点。素朴で味わい深い書風が感じられる。陶磁器は人間国宝の故島岡達三さんによる益子焼のほか、有田焼や九谷焼、韓国の白磁器など約140点を展示する。大人300円。10~16時。月曜休館。

◎相川考古館(伊勢崎市三光町)

江戸時代に町役人だった相川氏の居宅や土蔵を利用した私営の博物館。「群馬HANI―1(はにわん)グランプリ」で上位10体に選ばれた弾琴男子像を含む国重要文化財の埴輪(はにわ)4点が展示されている。茶室の「觴華庵(しょうかあん)」は県重要文化財。企画展や投扇興の大会、茶会も開いている。入館料は大人500円。9~16時半。月曜休館。

◎ふくろうカフェ楽園(高崎市棟高町)


森のような店内を進むと、15羽のフクロウが出迎えてくれる。体長20センチで愛らしい表情が魅力のインドコキンメフクロウから、翼を広げると1メートルにもなるアメリカワシミミズクまで14種、24羽を飼育する。写真撮影や触れ合い、餌やり(要予約)が楽しめる。1時間1200円(ワンドリンク付き)。12~19時(土日祝日は11~20時)。月曜休み。