《旬もの》上野農産加工直売所(古河市) 忙しく自慢の米で餅作り

茨城新聞
2018年12月23日

年明けまであとわずか。正月の準備に追われる頃。正月に欠かせない食材といえば餅。丹精込めて育てたもち米で餅作りを行う古河市の上野農産加工直売所では、一年で一番の繁忙期を迎える。同加工直売所を営む上野澄雄さん(70)、さとさん(69)夫妻は「これから忙しくなる。飛び込みではさばき切れないので、正月用の餅は完全予約制で受けている」と話す。

加工直売所は八千代町に近い同市東部の国道125号沿いにある。「おいしいおこめ」「コシヒカリ」ののぼりが立つ。

上野さんは主にコシヒカリともち米のマンゲツモチを生産する稲作農家。主に澄雄さんが米作り、さとさんが加工・直売を担う。加工直売所を始めて約20年になる。直売所といっても野菜は扱わない。自家製の米ともち米、その米で丁寧に作る餅や赤飯、揚げ餅などの加工品を販売する。

澄雄さんは18歳で農業を始めたという農家の4代目。50代から付加価値のある米作りに取り組む。「うまい米が作りたかった。有機質に富んだ肥料を使い、甘さやうま味の濃い米を作っている。餅は米の味がそのまま出る」と自信をのぞかせる。

自慢のもち米は蒸し器で蒸し上げ、きねつきタイプの餅つき機にかける。「どん、どん」と大きな音を立てるため、ヘッドホンの装着が必須。霧吹きで水をかけながら約4分半、よく伸びるうえ歯切れがいい餅がつき上がる。1回に4升(約6キロ)。多いときは1日約20回つくこともあるという。

出来上がった餅はのし餅や切り餅にする。小さく切った揚げ餅用は天日に干すと割れてしまうため、陰干しで自然乾燥する。揚げ餅はしょうゆ味。玄米餅の揚げ餅は塩味。変わり種は赤飯の揚げ餅。ササゲ、ゴマ、塩が入った赤飯をついて乾燥し揚げ餅にする。孫の名前を付けた「はるちゃん揚げもち」として販売する。「おいしさを追求し、塩はパキスタンの岩塩を使っている」と澄雄さん。

「お客さんにおいしいと喜ばれるのが生きがい」と夫妻は米作り、餅作りに精を出す。

年内は31日まで、年明けは1月6日から営業。古河市の道の駅まくらがの里こがやJA茨城むつみの農産物直売所にも出している。

■メモ
上野農産加工直売所
▽住所は古河市東間中橋24の4
▽(電)0280(76)3848
(作業中はつながりにくい)

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