《味な探検隊》前橋・カボチャ料理巡り 口に優しい季節感

上毛新聞
2018年11月6日

酷暑の夏も過ぎ去り、色づく街路樹の葉に深まりゆく秋を感じる今日この頃。31日のハロウィーンを前に、前橋市内のレストランやケーキ店を訪ね、旬のカボチャを使った料理や菓子を食べ歩いた。

◎新鮮な素材の甘さ ラムール(前橋市北代田町)


お菓子の家のようなかわいらしい外観が目を引く洋菓子店。ドアを開けると甘い香りに包まれ、思わず笑みがこぼれた。店内にはケーキのほか、ジェラートや焼き菓子がずらりと並び、目移りしてしまうほどだ。
秋季限定(11月まで予定)で販売するのは、いずれも本県産のカボチャを使った「かぼちゃのプリン」(330円)と「かぼちゃのモンブラン」(400円)。


プリンは、契約する赤城鶏卵(前橋市粕川町)から仕入れた朝採り卵を使う。卵に北海道産の牛乳と蒸して裏ごしをしたカボチャを合わせ、カラメルの上に流し込んで蒸し焼きにする。素朴な味わいの中にも、カボチャの風味をしっかりと感じさせる一品だ。
モンブランは、チョコレートと生クリームを合わせたガナッシュが中に入っているのが特徴。滑らかな口当たりのガナッシュにはアクセントに大納言小豆を混ぜ込んでいる。その上に生クリームをのせ、カボチャのペーストを絞って飾り付けている。
パティシエの栗原道成さん(28)は専門学校を卒業後、東京で5年間修業した。「新鮮でいい食材を仕入れ、余計な砂糖は加えず素材の甘さを引き出している」とこだわりを話す。プリンとモンブランは人気商品で、週末には売り切れることもあるという。
同じく期間限定で販売する徳島県産の安納芋を使った「安納芋のタルト」(430円)も絶品。ねっとりとした芋のクリームがたまらない。
第3火曜定休。問い合わせは同店(☎0120・34・9147)へ。

①温か秋冬メニュー オステリア ミッサ マリーナ(前橋市古市町)
昨年8月にオープンしたイタリアンレストラン。天井が高く、明るく開放的な雰囲気で女性客に人気だ。


ランチタイムの秋冬限定メニューとして、「かぼちゃクリーム」パスタ(サラダセット税別850円、デザート付き同千円)を提供している。カボチャの甘みを残しつつ、ベーコンの塩味を加えたクリームソースがパスタによく絡む。ほくほくした食感のカボチャの素揚げも添えている。来年3月まで販売する予定。
責任者の錦輝彦さん(36)は「これから寒くなる季節に食べて温まってほしい」と話している。
水曜と第2火曜定休。問い合わせは同店(☎027・212・2889)へ。

②ハロウィーン限定ピザ 独標(前橋市富士見町)
県産小麦粉を使用したピザが一押しのパン店。赤城クローネンベルクに15年間勤めた富板弘樹さん(53)が2013年に開業した。


土・日曜限定で販売する「かぼちゃのハロウィーンピザ」(1ピース150円)は、生地にカボチャのクリームを塗り、カボチャ、レーズン、クルミ、ゴルゴンゾーラチーズをのせて焼いたデザートピザだ。富板さんは「県産の小麦は風味の強さと、もちもちした食感が特徴。ぜひ食べに来て」と来店を呼び掛ける。
店で薫製にしたベーコンを使った「独標の自家製ベーコンのピザ」(1枚980円)もお薦め。月曜定休。不定休あり。問い合わせは同店(☎027・289・8039)へ。

③ほろ苦さとマッチ こもれび(前橋市朝倉町)
店主の山崎勝さん(43)の遊び心が満載の店。蚕形のマシュマロや前橋市のマスコットキャラクー「ころとん」をかたどったケーキが並ぶ。


秋の目玉は11月中旬まで販売する、ほろ苦いキャラメル入りの「キャラメルとかぼちゃのモンブラン」(430円)。通年販売の「かぼちゃのケーキ」(390円)も人気。
水曜定休。問い合わせは同店(☎027・289・8321)へ。

④口当たり滑らか まりをねっと(前橋市北代田町)
素材や製法にこだわったジェラート専門店。通年でカボチャを使った「パンプキン」(カップ350円、コーン380円)を販売している。


空気をなるべく含まないように製造したジェラートは溶けづらく、口当たりも滑らか。自家製の厚みのあるコーンはざくざくとした食感が楽しめる。
月曜定休。問い合わせは同店(☎027・235・3852)へ。

【こんなお店も…】
❺ワイワイマフィン(前橋市西片貝町、☎027・223・1272) カボチャペーストを入れたマフィン「かぼちゃ」(税別280円)と、カボチャクリームとクッキーで飾った「かぼちゃのモンブラン」(同300円)を11月まで販売。不定休。
❻サザンメイド・カフェ前橋店(前橋市下石倉町、☎027・226・1007) ドーナツに生クリームとカボチャのペーストを挟んだ「パンプキンドーナツ」(税別270円)を11月1日から販売する。お土産に最適なラスクもお薦め。

【本日の探検隊員】作り手の熱意感心
はやり物には疎い記者。今回の取材を通して、食べ物から季節を堪能することができた。カボチャ自体の味を生かそうと工夫された料理やスイーツに作り手の熱意を感じた。行く先々で目移りしてしまい、「せっかく来たのだから」と、ついついカボチャ以外の商品にも手を伸ばしてしまった。残りの秋は運動の秋としたい。

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