マンホールカード続々 下野市も配布、グリム童話モチーフ
地域色豊かなマンホールのふたの図柄を紹介する「マンホールカード」が全国各地に広がっている。県内では宇都宮、足利、大田原の3市がカードを無料で配布しており、9日からは下野市も加わる。県もカード化を見据えて新たなデザインのふたを製作している。観光誘客ツールの一つとしても捉えられており、今後も導入が進みそうだ。
カードは国土交通省や自治体、企業などで構成する「下水道広報プラットホーム(GKP)」が下水道のイメージ向上を目指して発案。縦8・8センチ、横6・3センチの全国統一様式で、表にふたの写真や場所の座標、裏はデザインの由来などが記載されている。
昨年4月に全国28自治体が配布を始め、段階的に自治体が増えた。第6弾の配布開始となる9日には下野市を含む64自治体が発行し、自治体数は47都道府県の252(293種)になる。カードは各自治体の下水道関連施設や観光施設などで無料で手に入る。
県内では足利市が昨年8月に初めて導入し、足利学校の学校門のカードを発行。その後、宇都宮市と大田原市が加わった。北海道や京都府などからもコレクターが来たという足利市は、カード2種計1万6千枚が9月に底を尽き、増刷待ちの盛況ぶりだ。
9日に配布を始める下野市は、グリム童話「赤ずきん」をモチーフにしたふたをカード化。観光資源と捉え、商工観光課を窓口とした。担当者は「観光の一つの目的になり、来年はデスティネーションキャンペーンもあるので関係市町と連携して活用したい」と期待する。
県もカード化を想定し、県のマスコットキャラクター「とちまるくん」をデザインしたマンホールを製作中。次回第7弾での申請を目指している。
ただカード人気の高まりから、申請しても選定されないケースも出ている。GKPによると、第6弾では148自治体から申請があり、審査の結果、半数以上が見送られた。県内では佐野市が選ばれなかったが、同市は今後も申請を続けるという。GKP担当者は「こんなに盛り上がるとは思わなかった。質を維持するため、作れる量には限りがある」と選定が限定的になる理由を説明する。
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