《食いこ》 真盛堂(結城市) 自家製あんの菓子で一息

茨城新聞
2017年10月15日

城下町の風情が残る結城市。古い町割りの一角に店を構える「菓子処 真盛堂」は創業85年の和菓子屋。

北海道十勝産の小豆は問屋を通して指定の農家から仕入れ、粒あんやこしあんを丁寧に手作りする。「混ぜ物はなし。あんが命」と3代目の社長、石川周三さんの妻、真智子さん(55)。

自家製あんを使った、まんじゅうや大福、季節の和菓子などが並ぶ中で目を引くのは、昔から伝わる結城名物の「ゆでまんじゅう」。市内の菓子店がそれぞれの作り方で出している。つるつるした白い生地に粒あんが入る真盛堂のゆでまんじゅうは蒸し上げて作る。小麦粉にもち粉を配合した生地を熱湯で練り「もちもちとした食感を出す」。

コーヒーを入れた生地とあんに生クリームが合う「カフェオーレ大福」は約20年続く人気商品。カスタードクリームとカラメルを包んだ「ぷりん大福」もお薦め。どちらも冷凍で販売する。

店舗隣に古い蔵を利用した和風のカフェ「甘味(かんみ)茶(ちゃ)蔵(くら) 真盛堂」を併設する。白い壁が印象的な甘味茶蔵は薬局だった蔵を改装し、7年前にオープンした。真智子さんは「観光スポットとして一息つけるような場所にしたかった。蔵を残すことで、まちおこしにつながれば」と話す。

1階はテーブル席、2階はフローリングと畳と趣が異なる店内はくつろげる雰囲気。「親類の家に来たみたいと言われる」と真智子さんの長男の嫁、愛香さん(32)。

自慢の和菓子や甘味、ランチが味わえる。数量限定の「月替わりランチ」は旬の食材を使い栄養バランスを考えた献立。結城名物「すだれ麩(ふ)のごま酢和(あ)え」は必ず入る。秋メニューは栗おこわ、筑前煮などが味わえる。

実在する名刀を擬人化した人気ゲームで注目を集める同市の結城蔵美館の「御(お)手(て)杵(ぎね)の槍(やり)」(レプリカ)をイメージした菓子も手掛ける。菓子処の「御手杵」はカスタードクリームとこしあんが入った焼き菓子。甘味茶蔵では御手杵をイメージした高さ約30センチのパフェを目当てに遠方からもファンが訪れるという。

■お出かけ情報
真盛堂
▼住所は結城市結城1362
▼営業時間は菓子処が午前8時~午後6時半、甘味茶蔵が午前11時~午後4時半(4~9月は同5時)
▼定休は木曜
▼(電)0296(33)3645

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