貴重な野鳥、湖岸に飛来 鉾田・北浦

茨城新聞
2017年10月12日

環境保護団体「北浦周辺の自然再生を進める会」の川又利彦さん(68)が、鉾田市の北浦湖岸周辺で、人前にほとんど姿を見せない珍鳥「ヒメクイナ」の写真撮影に成功した。越冬で南下する途中に滞在したとみられ、今年初めて確認された。同湖岸では2009年以降、9年連続でカンムリカイツブリのひなを確認。川又さんは「野鳥が飛来、生息するのは、豊かな自然がある証拠」と同湖岸の環境保全を求めている。

川又さんによると、ヒメクイナはツルの仲間で体長15~20センチ。警戒心が非常に強く、水辺の草地やヨシ原などに潜んでいる。川又さんは9月下旬、夕方に湖岸沿いの草地で餌を探しているヒメクイナの姿を捉えた。同市内で見たのは初めてという。その後も何度か撮影に挑戦したものの、ヒメクイナの姿は確認できず「もう次の場所に飛んで行ってしまったのでは」と推測する。

一方、カンムリカイツブリのひなは9月中旬、市まちづくり推進会議自然環境部会が確認。川又さんは今月上旬、幼鳥2羽が親鳥に寄り添い、親鳥から餌の小魚を受け取る姿を写真に収めた。09~17年の9年間で、カンムリカイツブリのひなは確認できただけで32羽。川又さんは「心配していたが、今年もひなが見られて良かった」と話した。

川又さんは「北浦には貴重な自然があり、渡り鳥の中継地点にもなっている。保全して、観光資源などに活用してほしい」と話している。 

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