想像広げる水墨画鑑賞 びょうぶや掛け軸、一堂に 茨城県近代美術館企画展 水戸

七つの鑑賞ポイントを通して水墨画の奥深さを紹介する企画展「水墨画を楽しむ7つのとびら」が、茨城県水戸市千波町の県近代美術館で開かれている。びょうぶや掛け軸、額装など多彩な水墨画が一堂に並び、さまざまな角度から水墨画の魅力をひもといていく。
展示作品は富山県水墨美術館のコレクションが中心。最後の文人画家と呼ばれる富岡鉄斎や、戦後美術を代表する日本画家の加山又造など、幕末から現代までの名品約70点を展示する。
見どころは加山又造の大作「牡丹(ぼたん)」。縦約2.5メートル、横約5メートル、四曲一隻の巨大なびょうぶで、関東では18年ぶりの公開。白と黒のボタン11輪が咲き乱れ、墨の質感の違いで花びらの重なりが表現されている。近づいて見上げたり、遠くから全体を一望したりして楽しめる。
鑑賞するためのヒントを得ながら水墨画の魅力を堪能できる工夫が凝らされているのも、同展の大きな特長だ。最初のとびら「五感でイマジネーションを開く」では、視覚だけでなく音や手触りといった他の感覚で触れた場合を想像しながら鑑賞できるよう、オノマトペが各作品に添えられている。ライオンのつがいを描いたびょうぶ「獅子図」のキーワードは「すべすべ」と「ごわごわ」だ。胴体は墨のにじみで立体的に、たてがみは筆の勢いを生かして描かれており、そうした質感の違いを鑑賞者に注目させてくれる。
さらにとびらは、詩や文の内容と作品を読み解く「文字と絵のコラボレーションを味わう」、あえて描かれなかったものに目を向ける「余白・切り取りの美学を考える」と続いていく。
県近代美術館主任学芸員、高田紫帆さんは「(来場者同士で)感想を言い合いながら、さらに想像を深めてもらえたら」と話している。
同展は6月21日まで。午前9時半~午後5時。月曜休館。
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