目指せ「涸沼ガイド」 動植物や歴史学ぶ 茨城町

茨城新聞
2017年8月12日

関東唯一の汽水湖である涸沼の動植物の生態や歴史を学ぶ「涸沼ラムサールネイチャーガイド養成講座」が、茨城町総合福祉センター「ゆうゆう館」で始まった。70人がガイドを目指して専門家の話を聞いた。来年1月まで計4回開かれる。沿岸3市町でつくる「ラムサール条約登録湿地ひぬまの会」主催。

県環境管理協会の森本泰弘さんが涸沼の概要を解説し「ヨシ原が3カ所あり、最大規模なのが大洗町砂並地区。留鳥のオオセッカがいる」とヨシの大切さを強調。「笠間市の源流を含めて流域の広い範囲の自然を守ることが必要だ」と訴えた。

ヒヌマイトトンボの発見者の一人で茨城生物の会会長の小菅次男さんが「汽水域だけに生息するトンボ。東日本大震災の津波で岩手、宮城、福島の東北3県の生息地が被害を受けた。今では涸沼が最北の生息地になった」と説明し、「アオモンイトトンボやクモが天敵」と語った。

県環境アドバイザーの安昌美さんが植物について、「国レベルの貴重な植物が生育している。ヨシ原の保全や拡大が必要」と述べた。

野鳥観察について、茨城生物の会の仲田立さんが「20~30倍の望遠鏡に三脚を付けて使用する。目立つ服装は避けよう」とアドバイス。毎年2月ごろに飛来するオオワシは「畳一畳分の大きさがある」と話した。

次回以降は釣り体験や野鳥観察など野外での講座が予定されている。

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