《食いこ》ラトリエ・ドゥ・カナルショコラ(茨城・取手市)

茨城新聞
2025年4月27日

■こだわりカカオでチョコ

チョコレートは子どもはもちろん、大人も魅了してやまない嗜好(しこう)品。原料のカカオ豆に含まれるポリフェノールは健康や美容に良い効果が期待できることでも知られる。

「大好きなチョコレートを通じて社会と世界につながり、貢献したい」。茨城県取手市井野のチョコレート製造販売会社「ラトリエ・ドゥ・カナルショコラ」の代表、増田佳愛(かなる)さん(27)は、豆の輸入からチョコレート製造まで一貫して手がける。ミネラルの多いてんさい糖で甘みを出すのも特徴だ。

父親の仕事の関係で、小学2年から6年までフランスで過ごし、さまざまなスイーツに親しんだ。中でもチョコ専門店の存在は驚きで、「本当に日本のコンビニ並みにあって、それぞれ特徴あるチョコを作り、売っていた」と出合いを振り返る。

中学入学時に日本に帰国。得意のフランス語を生かすべく、大学は仏文科に進学。これが増田さんの目を世界へ向けるきっかけとなり、今の仕事に導いた。

カカオそのものについて海外の文献を読みあさる一方、栽培や生産、土壌、流通、チョコレート製造についても学んだ。西アフリカのガーナまで出かけ、カカオ農家にファームステイ。知識を踏まえて実際の栽培を見聞した。就職はカカオ輸入の専門商社。4年勤めてビジネスの進め方を身に付け、満を持して独立した。

ガーナ産のカカオを使ったチョコレート

 

チョコの原料はカカオ豆だが、実は豆ではなくカカオの木に実る果実の中の種子。種子を乾燥してローストし、殻をむいたカカオニブをすりつぶし、さらにペースト状にしたカカオマスに砂糖で甘みを付ける-というのが大まかなチョコの作り方。

カナルショコラで現在使うカカオは産地指定のガーナ産がメインだ。「南部のエンプレーソ・アマンフロム村の産で、上品な酸味と華やかな香り、こくある味わい。とにかくおいしい」とほれ込み、品質が良ければ通常より少量でも、適正価格で買い取るビジネスモデルを確立した。

「カカオ、チョコレートのおいしさ追求が、生産、輸出入、製造、消費の4者の満足につながり、社会教育、食育まで広がっていけば」。増田さんは「四方よし」の展望を思い描く。

■お出かけ情報
▽茨城県取手市井野4912の4
▽営業時間は正午~午後6時
▽営業日は金、土、日曜日、祝日
▽(電)0297(84)6250
オンラインストア https://suit-chocolate.com/brand/latelier-de-kanaru-chocolat/