器や人形 華やか300点 石岡の陶芸家夫婦 笠間で個展、17日まで 茨城

茨城新聞
2025年1月11日

正月恒例の企画「古川欽弥・雅子 作陶展」が、茨城県笠間市笠間の回廊ギャラリー門で開かれている。レトロな雰囲気のパターン文様や動植物を絵付けした食器、酒器、つぼ、さらに人形、干支(えと)「巳(み)年」にちなんだ置物など約300点が出品され、正月らしい華やかさを繰り広げている。同展は17日まで。

欽弥さん(59)と雅子さん(55)は、同県石岡市八郷地区に拠点を置く陶芸家夫婦で、欽弥さんが成形、雅子さんが主に絵付けと役割分担しながら、作品を制作している。「門」では15年ほど前から毎年、元日に始まる会期で個展を開いてきた。

2人によると、作品の種類は100ぐらい。呉須で絵付けした青系統と、赤絵に金彩を施すなどした赤系統に分かれる。器の種類では皿、鉢、飯茶わん、湯飲みなど食器類と、ぐい飲みなど酒器、さらに白蛇をあしらった置物、ひな人形もある。

中でも会場中央に置かれた「色絵彫文菊壺(つぼ)」は、出品作の中でも大ぶりだ。丸い胴体の全面に浮き上がった菊の絵柄が施され、豪華な雰囲気を醸し出している。「色絵金彩花文長板皿」も手の込んだ華やかさで、今展でのシンボリックな存在感を示している。

形と装飾で見事な調和を生み出している2人だが、事前にコンセプトを固めて制作に入ることはあまりないという。欽弥さんが成形で心がけるのは「絵付けがしやすいかどうか」で、雅子さんは「(与えられた)形を見て、絵付け(のモチーフ)を考える」。

共同制作者として、雅子さんは「正月らしく華やかな器を用意したので見てもらいたい」と話している。

午前10時~午後5時。無休。問い合わせは同ギャラリー(電)0296(71)1507へ。