器と楽しむ和食コース料理 「笠間の家」で 「笠間焼の多彩さ感じて」 茨城

茨城新聞
2024年9月21日

建築家、伊東豊雄さんの設計・デザインになる建物として知られる茨城県笠間市の公共施設「笠間の家」(同市下市毛)で、旬の食材を使った和食のコース料理を、笠間焼の人気作家10人がそれぞれ和食のコース料理を想定して制作した器に盛って提供するサービスが、21~23日の3連休を皮切りにスタート。新たな食の体験とともに、バリエーションに富んだ笠間焼の魅力を感じてもらうのが狙いだ。

サービスは「ごはんのオキガエ」と銘打ち展開。家庭料理をベースにした創作コース料理を「器を着せ替えて」楽しむという趣向だ。市の指定管理者として同施設の運営を担うNPO法人「いばらきの魅力を伝える会」(金沢大介代表理事)が企画した。

提供されるコース料理は、前菜、サラダ、スープ、メイン料理とごはん、飲み物、デザートが順に出される。メニュー考案、調理を担当する料理研究家の飯村由佳里さん(66)=同県城里町=は、「県産の旬の食材を使い、野菜を中心にしたメニューを考えている。お箸で食べてもらえるようにしたい」という。

料理を盛る食器は、「和食のコース料理を提供する器」というオーダーで、小堤晶子、Keicondo、近藤文、酒井敦志之、庄司健、鈴木美汐、高橋協子、沼野秀章、原田奈央、馬目隆広の各氏が手がけた。デザイン、色味、かわいらしさなどでそれぞれ作家の持ち味が発揮されている。

同会によると、今回使われる器はもともと、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業(2020年度)に選定された笠間焼のリブランディングに関わる取り組みの一環で、21年時点で制作されていた。コロナ禍で事業が完遂せず、約3年間、一度も使われないままだった。同会の担当者は「『笠間の家』の空間を使い、今回やっと、一般の人向けのサービスとして体験してもらえることになった」と話す。

料理の提供があるのは、施設の開館日(土日・祝日)で正午、午後1時半の2回。料金3500円。事前予約制。料理メニューは1種類だが、月ごとに入れ替わる予定。器の種類は選べない。予約は笠間の家のインスタグラム・ダイレクトメッセージから。電話でも受け付ける。問い合わせは(電)0296(73)5521。