《釣り》ヒラマサファイト満喫 日立沖、ルアー青物狙い 癖になる強烈引き込み

茨城新聞
2024年9月21日

夏の沖釣りで大人気となっているルアー青物狙い。大型のブリ、ヒラマサ、近年では海水温の上昇でカンパチも大型化してきて獲物も多様化してきている。台風9号一過の8月下旬、絶好のチャンスとばかりに日立久慈漁港の釣友丸(若林一船長)に乗船して狙ってみた。

午前4時半、平日だったので私を含めて3人を乗せ港を出た。船は港からやや北の水深80メートルのポイントへ。ここのところ、このポイント周辺ではブリ、ワラサが釣れているようだ。

私はショートタイプのメタルジグ200グラムを落として、着底したら小刻みにシャクりながらハイピッチでハンドル20回転巻き取る。中層まで巻き取っても釣れるが、浅い所まで追ってくるのはイナダが多く、底狙いが大物を狙うこつだ。

船は風任せの横流し。ジグを真下に沈めても次第に船が流されてジグを落とした地点から遠ざかり、ラインが斜めに出ていくのが通常パターン。しかしこの日は潮の流れが風向きと同調して効き、ジグが常に船の真下で動く好条件だ。

朝マズメの時間帯、今にもヒットしてきそうと期待したが一向に気配がない。船は何度か実績ポイントを流し変えてくれたのだが、全く釣れずの2時間経過。それではと大きく北へ移動して川尻の海岸が見える水深25メートルの浅場に転進した。

当日用意した青物専用の仕掛け

ここは地形の変化が激しい岩礁でヒラマサのポイントだ。メタルジグはロングタイプの125グラム、強烈な水の抵抗を加えてスライドアクションさせるいわゆる「飛ばし」が特徴のヒラマサ専用ジグ。

ヒラマサは逃げ惑う小魚の動きに特に興奮してやる気を出す習性があり、ジグに力強い水圧を入れながら激しくさおをシャクっていると、たちまち息が上がる。

突然その瞬間はやって来た! いきなり強烈な力で引き込まれ「うわ、来ちゃった!」ヒラマサのファイトはブリの比ではなく数ある釣魚の中でも最強。さおのブランクスを右手に持ち、あらん限りの力で巻き取っていく。

やがて見えてきたナイスサイズの魚体が若林船長の構える網に収まった。5キロくらいかと思ったが測ると4.3キロ。もう少しサイズが欲しかったがヒラマサが釣れて大満足。何よりこのファイトを満喫できた。

まだシーズンに入ったばかりのルアー青物。浅場の根周りのヒラマサ、秋になると深場のカンパチも季節になってくる。さおが折れそうな迫力ファイトは癖になる。大物釣りを体験してみてはいかが。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)