だまし絵 遊び心満載 トリックアート展 笠間日動美術館 茨城

茨城新聞
2024年7月28日

絵画の中に入り込むトリックアートや謎解きを通して、美術の面白さを体験できる企画展「Art&Mystery ウキウキ謎解き! トリックアート!!」が、茨城県笠間市笠間の笠間日動美術館で開かれている。著名な西洋絵画を基に作られたトリックアートが、同館所蔵の絵画、彫刻、ガラスアートなどとともに展示される。目の錯覚を利用し、ゴッホやセザンヌ、モネなどの名画の中に入り込んだかのような写真を撮れるのが大きな特徴だ。遊び心に満ちた展示を入り口に、多彩な角度から美術を「体験」できるよう工夫されている。

鑑賞者はリンゴの馬車に乗って絵画から飛び出してくるような風景や、夜のカフェテラスで画家のゴッホと一緒にお茶を飲んでいるような光景に溶け込み、絵画作品の一部になれる。

バラエティー豊かな同館の収蔵品に関連した謎解きパネルも設置。色や素材、モチーフをよく観察し、自由に想像を巡らせるきっかけとなる。鴨居玲(1928~85年)の愛用品や児玉幸雄(16~92年)の西洋人形コレクションなど、公開される機会が少ない収蔵品も並ぶ。作家の人柄を想像し、作品とは異なる角度で美術を楽しめる。

同館学芸員の川崎みなみさんは「夏休みに家族や友達と楽しめる普段とは違った展覧会。じっくりと作品と向き合ってほしい」と来場を呼びかけている。

同展は9月16日まで。会期中、第8回「全国こども絵画コンクールinかさま」を同時開催。全国から寄せられた1838点の中から、入賞、入選作計271点を展示している。