常総「豊田城」、展示室一部リニューアル 映像、音声で長塚節紹介

茨城新聞
2017年4月30日

おととし9月の鬼怒川の水害で被災した常総市新石下の市地域交流センター「豊田城」で、一部の展示室の改修工事が終わり、29日にリニューアルオープンした。同市出身の歌人、長塚節(1879~1915年)のコーナーでは、壁にデジタル映像を投影する展示に一新。子育て世代が集えるフリースペースも設けた。改修工事は2018年度まで続く予定で、市は観光拠点として今後も整備していく方針だ。

豊田城は高さ48・5メートルの模擬天守を持つ市のランドマーク。鬼怒川の水害では電源設備などが被災し、全面休館に追い込まれたが、1階の大ホールと2階の図書室は既に再開。郷土の歴史などを紹介する3~6階の展示室と、展望室の7階は改修工事のため休室が続いていた。

展示室のリニューアルは1992年10月の開館以来初めてで、工事は16年度から18年度までの計画。16年度は主に5~6階の展示を見直し、5階は飲食できるフリースペースにした。子育て世代の市民も集えるように、遊具や絵本を置き、壁に落書きできるコーナーも設けた。

6階は改修前も長塚節を紹介するコーナーだったが、デジタル技術を駆使した展示に変更した。長塚節の短歌7首を優美な映像と音声によって紹介。解釈文も付け、分かりやすい展示を心掛けた。

この日はオープン初日のイベントとして家族映画祭などが行われ、大勢の家族連れでにぎわった。

長塚節の展示を見て、つくば市の小林礼子さん(51)は「旅や愛などテーマごとに短歌が詠まれ、見応えがあった」。常総市の中川千香子さん(35)はフリースペースについて、「市内にこういう場所がないのでとても便利」と喜んでいた。

豊田城の開館時間は午前9時~午後4時半。月曜休館。入場は9月30日まで無料となっている。

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