動植物集う時計塔 JR取手駅西口 東京芸大教員制作 市民アイデア基に 茨城
茨城新聞
2024年4月10日
茨城県取手市のJR取手駅西口ペデストリアンデッキに設置されている時計塔がリニューアルされた。デザインは市民からアイデアを募集し、市内にキャンパスがある東京芸術大の教員が制作した。自然豊かな取手をテーマに、1本の木に多くの動物や植物が集まる造形で、多様性を表現したという。市は再開発が進む駅前の新たなシンボルに位置付ける。
1991年にキヤノン取手事業所が寄贈した時計塔を取り換え、費用は同社が全額負担した。市と同大が連携してアートを生かしたまちづくりに取り組んでいる関係で、市が同大に制作を依頼した。
市内の小中学生や市民からアイデアを募集し、身近な自然をテーマに動物や昆虫、魚、花などの絵が計610点寄せられた。このうち82点を同大の三枝一将准教授が組み合わせてデザインした。アルミニウム製で、高さ約3.3メートル、幅約2.6メートル。時計を囲む木の枝に動植物が集う姿にした。
時計塔は「共生の樹」と名付けられた。市の担当者は「自然豊かな取手をモチーフにした。それらが寄せ集まって共存し、多様性を受け入れる柔らかな発想や気持ちに結び付くことを願った」と話す。駅西口は大規模再開発が進行中で、同市は新たなシンボルに位置付ける。