《いばらき御朱印めぐり》水戸市 水戸大師六地蔵寺 光圀愛した桜の名所 創建1200年、文化財の宝庫

茨城新聞
2024年4月13日

徳川光圀も愛したしだれ桜の名所として知られる。本堂前にある樹齢約200年の桜は光圀時代の子に当たる。境内にある桜約50本が咲く光景は壮観だ。

創建から1200年余。僧侶の学問所ともいうべき「檀(だん)林」であったことから、平安から室町時代を中心に貴重な文書類を伝えてきた。文化財数は国指定の重要文化財4点を中心に3千点余。関東では公的な博物館を除くと3番目。文化財の宝庫でもある。

ここのしだれ桜はエドヒガン系のイトザクラ。淡紅色の花を咲かす。栗原邦俊住職(73)によると、東京都台東区の上野公園の桜の咲き具合と同じペースで開花、満開を迎えるという。「ピークには1日1万人は来てるのでしょう」と栗原住職。ホームページで桜の状況を逐一報告している。

堂内に本尊の六地蔵が安置されている地蔵堂。同前には石の地蔵も並ぶ

8日はお釈迦(しゃか)様の誕生を祝う「花まつり」。釈迦像を美しい花で飾った花御堂をつくり、参拝者には甘茶をかけてもらうという。

六地蔵寺は平安時代初期の807年創建の真言宗の寺。末寺25寺を抱える本山でもある。本尊・地蔵菩薩(ぼさつ)は地獄や餓鬼、人間界など六界に生まれる人々を苦しみから救う慈愛の精神に満ちた菩薩だ。本尊の地蔵菩薩の木像6体は護摩祈禱(きとう)を行う地蔵堂内に安置されている。

六地蔵寺の御朱印

そこで、御朱印は中央に「南無六地蔵尊」左に「水戸大師」と墨書する。茨城百景などの朱印を押す。桜が咲いている期間には桜印も加える。

光圀は、寺宝の収蔵庫「法宝蔵」を建てさせた。この蔵を改修しようと1909(明治42)年に調査をすると、慶長小判30枚が隠されていた。光圀自身が将来の修繕費として置いたものであることが判明。「大切にされた寺」としてのエピソードだ。

「地域にとって『あってよかったと思われる寺であれ』というのが父・祖父からの教えだった」と語る栗原住職。そこで20年前、創建1200年事業として病院誘致に取り組んだ。茨城県水戸市西部などへ大病院が移転する中、周辺の医療空洞化を懸念したためだ。

境内山林にインフラ等新築移転の整備を整え、ついには2006年に水戸中央病院が開院した。高くそびえる病院はまるで寺の精神の記念碑〝五重塔〟のようだ。

■メモ
アクセス:JR水戸駅から車で8分。「六地蔵寺入口」バス停から徒歩5分。水戸南IC、水戸大洗ICから車で5分
住所:水戸市六反田767
電話:029(269)2211
受付時間:総受付で午前8時半~午後4時
御朱印:300円。寺で備えている御朱印帳に書き込む場合は1500円
補足:国の重要文化財は根来塗布薩盥(ねごろぬりふさつだらい)」4点。和歌山県の根来寺で作られたと証明されている大変希少な漆器。「神皇正統記」の貴重な写本などを伝える。

六地蔵寺の御朱印