「さかえちゃん」動画人気 茨城訛り 日常描写 茨城・筑西出身の片平さん
強烈な茨城訛(なま)りで日常の光景を切り取る「さかえちゃん」の投稿動画が交流サイト(SNS)で人気だ。投稿者は茨城県内でハンバーガー店「Hi-five」を営む同県筑西市出身の片平敦士さん(45)。さかえちゃんは動画で茨城県農村部などで交わされるような言葉遣いを披露し、県民や茨城県出身者を中心に共感を集めている。
片平さんが動画投稿を始めたのは8月。当初は「遊びのつもり」で制作し、インスタグラムの24時間で投稿が消去される「ストーリーズ」に動画をアップしていた。これが予想外に好評を得た。視聴者から「何度も見たい」との声が寄せられ、保存できる「リール動画」にも投稿を始めたという。
動画タイトルは「茨城田舎仕草(しぐさ)」。インスタグラムとTikTok(ティックトック)に投稿されており、自転車に乗って登場するさかえちゃんが「んでは、えっぱいだけよばれっかな(それじゃ、一杯だけごちそうになろうかな)」「もうすぐ『らいさま』くっと(雷が来るぞ)」など、素朴なやりとりを見せる。インスタグラムで75万回以上再生された動画もある。
さかえちゃんのモデルは自身の祖父、栄一さん(故人)。動画のネタ作りなどはせず「じいちゃんが話す姿を思い出しながら」撮影に臨んでいるという。
元々はハンバーガーを作る料理人。2006~19年には同県つくば市内で店舗を構えていたが、イベントなどに出店する移動販売に切り替えた。肉汁あふれる商品が人気で平日は同市内のカフェ敷地内、週末は県内のさまざまなイベントに出向き、行列ができるほどだ。
動画が話題を集め、県内外から訪れるファンも増加。動画がきっかけで会いに来たという同県行方市の女性(42)は「方言を楽しくかわいらしく話しているところが魅力。ハンバーガーも最高」と語った。
気軽に写真撮影にも応じるなどファンサービスを欠かさない片平さん。投稿を始めてからは「お客さんとよく話すようになった。交流は楽しいし元気をもらえる」と笑顔を見せる。
今後も動画投稿とハンバーガー店運営を両立させたい考えで「もっと楽しんでもらえるよう、いろいろな動画を撮りたい」と目を輝かせる。