《食いこ》ワイン オクロック(茨城・水戸市) ギリシャの食文化伝える

茨城新聞
2023年11月11日

茨城県水戸市泉町の国道50号線沿いに店を構え、世界中のワインと旬の食材を使った料理が楽しめる「ワイン オクロック」。歴史を刻んだ「泉町会館」の入居店舗として、2018年11月にオープンした。

提供するワインの中で、メインに据えるのがギリシャ産。紀元前2000年からブドウ栽培が行われているギリシャは、300種類以上の品種があるといわれ、個性豊かな銘柄が数多くそろう。

昭和レトロな雰囲気の外観

 

「ギリシャはワインの起源と呼ばれる国の一つ。地中海の強い日差しと、海洋からの冷たい風はブドウ栽培に適している。恵まれた風土で育まれるワインを多くの人に味わってほしい」とオーナーソムリエの和田まゆみさん(48)。

ワインに興味を持ち始めたのは、旅行会社に勤めていた20代の頃。仕事帰りに立ち寄ったレストランで奥深さを知った。その時の店主に勧められ、店で働きながら2003年にソムリエ資格を取得。09年から水戸市内のホテルで経験を積み、輸入販売を手がけるギリシャ出身の経営者と交流を持った縁が、現在につながる。

和田さんは「医食同源」の考え方の下、旬の食材を取り入れたギリシャ料理を看板メニューに取り入れている。「健康の土台は日々の何げない食事を大事にすること。ギリシャは海と山の食材が手に入りやすく、料理は健康面でも注目されているんです」と話す。

ギリシャ料理の前菜「ドルマデス」

 

一般的になじみの薄いギリシャ料理だが、素材は魚介類や肉、野菜を幅広く使用。味付けはオリーブオイル、塩、レモンでシンプルに仕上げ、ハーブやニンニクでアクセントを効かせる。店のメニューで、「ムサカ」は、ナスとジャガイモをミートソースで重ね焼きにした家庭料理。「ドルマデス」は、コメと豚ひき肉をブドウの葉で包んで蒸し焼きにした定番の前菜で、付け合わせのヨーグルトソースが素材を引き立てるという。

10月には、ギリシャ大使館公使から、ギリシャ料理とワインの品質を高く評価する認定書が贈られた和田さん。「これを励みに、水戸の街からギリシャ料理や文化をしっかり伝えていきたい」と力強く語った。

■お出かけ情報
ワイン オクロック
▽茨城県水戸市泉町2の3の17
▽営業時間は月~水曜が午後6時~午前0時、金~日曜が午前11時半~午後2時半と午後6時~午前0時
▽休業日は木曜
▽(電)029(306)9777